2018年10月15日月曜日

本末転倒だ 九州電力=供給超で太陽光発電を一時停止

10月13日に、九州電力は、全国で初めて、太陽光発電を一時的に停止させる「出力制御」を実施した。が、これは本末転倒である。
 供給が需要を上回り、需要と供給のバランスが崩れ大規模な停電のおそれ
13日にNHKは、この九州電力の出力制御について以下のように報じた以下は引用。
九州電力は、電力の供給が要を上回り需給のバランスが崩れ、大規模な停電につながるおそれがあったとして、全国で初めて、太陽光発電を一時的に停止させる「出力制御」を13日、実施しました。
 13日の九州地方は、晴れて日照量が多く太陽光の発電量が増えると見込まれた一方、冷房の利用や工場の稼働などが減って日中のピーク時には、供給が需要を43万キロワット上回ることが予想されていました。
このため九州電力は、電力の需要と供給のバランスが崩れ大規模な停電のおそれがあったとして、13日午前11時半から午後4時にかけて太陽光発電の一部の事業者に一時的に発電の停止を求める「出力制御」を、離島以外では全国で初めて実施しました。 
九州電力によりますと、13日の出力制御の実施に伴うトラブルはなかったということです。
九州では、日照条件などがよいことから、太陽光発電の導入が増えていて、発電量は再生可能エネルギーの買い取り制度が始まった6年前に比べ7倍に増えています。
 さらに、ことし6月までに、佐賀県と鹿児島県にある原子力発電所で合わせて4基の原発が再稼働し電力の供給量が高まっています。
 14日の九州地方は晴れが予想されていて、九州電力は、14日も日中のピーク時に供給が需要を62万キロワット上回ることが予想されるとして出力制御を行うことにしています。(NHK。引用はここまで)
NHKの記事によると、供給が需要を上回り、需要と供給のバランスが崩れ大規模な停電のおそれ、と九州電力は説明しているが、そうなった原因は、需要者側には無い。

あくまでも、九州電力の都合なのである。
このように電力が余るようになって来たのは、原発を再稼働したからなのである。
原発は、他の発電手段に比べると、すごく儲かる。
このからくりについては、西日本新聞が、詳しく報じている。

 原発4基で、年2000億円の節約

西日本新聞は、2018年の3月20日に、以下のような記事を掲載した。タイトルが刺激的である。それは、こうである。(以下引用文)

【玄海再稼働】原発頼みの九電経営 「電力の安定供給もう関係ない」 4基稼働で年2000億円節減

九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)が再稼働すると、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)と合わせ4基の原発が通常運転に戻る。節電の浸透などもあり電力需要が増えない中、再稼働を進めるのはなぜか-。九電にとって原発は、供給力確保よりも経営改善の“切り札”としての重みを増している。
 九電の2016年度の販売電力量は786億キロワット時。3年連続で減少した。東京電力福島第1原発事故前の10年度と比べると、10・2%少ない。福島事故以降、節電や再生可能エネルギーの活用が広がり電力需要は抑制傾向にある。九電の供給力も15年の川内原発1、2号機再稼働で余裕が生じ、福島事故後自粛していたオール電化の営業を16年に再開した。
 玄海3、4号機の再稼働を目指す理由について、瓜生道明社長は日本のエネルギー自給率の低さや再エネの出力が不安定な点を挙げ「それぞれの発電方式のいいところを組み合わせ、供給を賄う仕組みが重要」と説明する。だが、ある幹部は断言する。「もう電力の安定供給はあまり関係ない。経営をどう立て直すかという観点で、原発を一生懸命動かそうとしている
 電力会社は原発停止後、安定供給に向け石油や液化天然ガス(LNG)火力発電の比率を高めたため、燃料費負担が増して経営が悪化。福島事故前、発電量の40%以上を原発で賄っていた九電も大打撃を受けた。11~15年度の5年間で純資産は約60%減り、逆に有利子負債は約53%増えた。 九電によると玄海3、4号機が再稼働すると燃料費負担は1カ月で1基約45億円減少。川内1、2号機と合わせ4基が動くと年間約2040億円が浮くという。
 福島事故を踏まえて施行された新規制基準で、原発には追加の安全対策が何重にも求められるようになった。九電が投じる事業費は川内と玄海を合わせて九千数百億円。「原発を新設するより高い」(関係者)金額だが、燃料費削減効果を単純に積み上げると、5年程度で回収できる計算だ。
 電力の小売り全面自由化で競争が激化する中、「電力販売そのものの採算性が悪化している」との危機感は強い。「原発は動かなければ負債が膨らむだけ。保有する以上は動かして、今後生き残るための原資を生まないといけない」と九電幹部は語る。
 ただ、原発は再稼働後も訴訟による運転停止や、さらなる安全対策の追加を求められるリスクが付きまとう。かつて経営に関わった元役員は言う。「原発を取り巻く環境は大きく変わった。一民間事業者で続けるのは厳しくなっている」(西日本新聞 引用はここまで)

■ すべての元凶は、原発再稼働にある

今迄は、安定供給、ということが言われ続けて来た。が、どうやら、それは口実であったらしい。

事実、福島の原発の事故以降、原発ゼロ、の年が何年も続いたが、電力不足は起こらなかった。電力は、安定して供給され続けてきた。

地球温暖化、を理由に原発の再稼働が始まったが、これも嘘である。

このことは、この西日本新聞の記事が、それを証明している。
つまりは、すべての元凶は、原発にある。

もう電力の安定供給はあまり関係ない。経営をどう立て直すかという観点で、原発を一生懸命動かそうとしている」、というある幹部の断言が、それを証明している。

それにしても、なぜ、それほどにしてまで、原発を動かしたいのだろう。私には、それが解らない。

いや、かなり解りだしてきている。

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(2018年10月15日)