大会では、新基地建設阻止の決議が採択された。そして、昨年の名護市長選、県知事選、衆院選などで示された新基地建設反対の沖縄県民の民意があらためて国内外に示された。
◆ 新基地建設断念を 県民大会、3万5000人が結集
沖縄新報によると、翁長(おなが)知事は、
辺野古移設が普天間返還の唯一の解決策とする政府に対し、阻止することが唯一の解決策だ、と強調。
あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない、と重ねて表明した。
辺野古移設計画を推進する安倍政権に対しては、日本の政治の堕落だ。自国民に自由と人権、民主主義の価値観を保障できない国が世界と(同じ価値観を)共有できるのか。日米安保体制・同盟はもっと品格のある、冠たるものであってほしい、と批判した。
以下に、その時の様子を取った動画を張り付けます。
(toutubeの動画)
◆ 安倍首相に対する大きな鉄槌を下すもの
さらに、安倍晋三首相自身についても、「日本を取り戻す」と言っているが、沖縄は入っているのか。沖縄はいつまで自らを投げ捨てなければならないのか、と述べ、安倍首相の姿勢を強く非難した。
その安倍首相は、第186回の参議院予算委員会に置いて、脇雅史議員の質問に答えて、
と答弁している。(注①)『具体的には、地元の皆様の目に見える形で負担を軽減することが重要であると考えておりまして、そのためには、沖縄県外におけるそれに向けた努力を十二分に行うべきであると考えています。仲井眞知事からは普天間飛行場の五年以内の運用停止を含む御要望をいただいております。これは沖縄県民全体の思いとしてしっかりと受け止め、米国を始め、これは相手があることではありますが、政府を挙げてその実現に向けて全力で取り組んでまいる考えであります、
はたして、安倍首相は、こう答弁したように、政府を挙げてその実現に向けて全力で取り組んでまいる考えを、実行しようとしたのか。
相手である米国と、真剣に交渉をしたことがるのか。する気持ちがあったのか。
本当に心から、沖縄県外におけるそれに向けた努力を十二分に行うべきと考えていたのか。
これまでの経緯を見ると、とてもそうとは思えない。
今回の、この県民大会は、―翁長知事が批判するように―、そのような姿勢を取っている安倍首相に対する大きな鉄槌を下すものとなった。
◆ 沖縄の米軍基地の問題が解決されない限り、戦後はおわらない
よく知られているように、太平洋戦争において、沖縄は、本土以上の被害を受けた。それは、「ひめゆりの塔」に象徴される。
1945年3月26日から、6月22日にわたって戦われた戦闘で、米軍は艦艇1500隻、輸送船4500隻、ほかに航空機が、初日だけで、2000機投入された。
地形が変わるほどの艦砲射撃が行われた。
日本側の被害は、軍人が死者・行方不明者=94136人。
民間人の死者が、94000人。
戦後の沖縄は、1950年12月まで、米軍による軍政が敷かれた。
そして、沖縄が日本に戻ってきたのは、1972年5月15日である。
現在の日本においてなお、沖縄の多くの地域を米軍基地が占領している。
沖縄の県民は、危険と隣り合わせの日々を暮している。
また、日米地位協定により、沖縄の住民は、多くの不利益な取扱いを受けており、米軍とのいざこざが絶えない。
米軍基地の存在が、沖縄に大きな影を落としている。
「本土」内の米軍基地はもちろんのこと、沖縄の米軍基地の問題が完全に解決されない限りは、戦後は、いつまでたっても、終わらない。
日本を取り戻したことにもならないし、真の独立国家であるという事も出来ない。
(注①)
当ブログの次の記事でも取りあつかっています。
・参議院予算員会質問 安倍首相が、沖縄県外に向けた努力を十二分に行うべき
(関連サイト案内)
・レイプに反対なら、日米地位協定を変えるべきです=法学館憲法研究所
(2015年5月18日)