2015年5月4日月曜日

これこそが、安全保障上の一大事 「今そこにある危機」:

一瞬、わが目を疑った。
これが事実であるとすれば、我々国民は、これまで、
誰の言葉を目にしてきたことになるのであろうか。

安倍首相のツイッターの話である。
実は、「黒子」がいた。
これでは、もう国民は、安倍首相のツイートをまともには受け取らなくなるであろう。



記事のタイトルは、「山本一太氏 首相のツイッターを更新していると明かす」とある。

安倍晋三首相のツイッターを、実際は山本一太参議院議員が管理していたと話題になっている。安倍首相名義で4月30日、「ワシントンDCからサンフランシスコ行きの飛行機に乗り込んだ。
政府専用機より一足先に到着する予定。空港で総理を出迎える。昨晩はほとんど寝ていない。機内で爆睡する。」というツイートが安倍首相名義のツイッターでされ、そこに山本氏の写真が掲載されたのだ。
(赤色の部分は引用文です。以下、引用は、「アメーバーニュース」より)
山本氏は、その後、すぐにツイートを削除した。
そして、「安倍首相のツイッターのゴーストライター」ではないかという憶測について否定した。

ところがそのすぐ後で、以下のようなお詫びを、ツイートした。

 総理のパーソナルアカウントのツイートは「総理自身の言葉」だ。本人がツイートする時間がなかなか取れないので、総理の要請でネット戦略アドバイザーの自分が代わりに総理の言葉を投稿している。総理にも直接、お詫びしたが、誤操作で混乱を招いたことを重ねてお詫びします。以後十分に気をつけます。

開いた口がふさがらないとは、このことである。
 時間が取れないので、他人に自己の所有物であるツイッターのアカウントを教え、
代わりに投稿を依頼するとは。

あきれてものも言えない。
時間が取れないようなら、ツイートなどする必要がないではないか。

安倍首相のツイートを読む国民は、安倍首相の自身の言葉と思い見ている。
それは、一人、日本の国民だけではない。

世界中の国民が、安倍首相の言葉と信じて見ているのである。
ツイートは、ボタンを押した途端に、世界中で受け取られる。

このことは何を意味するのか。
安倍首相は、このことをよく考えたことがあるのか。

これこそ、国家の安全保障にかかわる一大事である。
今回の事態に対して、山本氏や安倍首相に、そのような意識はあるか。
ないであろう。
あれば、このような事態が起こるはずがない。

これでは、まったく世界中の笑いものである。



このようなことが起きる根本的な原因は、安倍首相のITに関する認識不足にあるのではないか。
ネット世界の重要性を認識しているからこそ、ツイッターを利用をしているのだろう。
そうであるなら、その事に対するリスクも認識しておくべきである。

もちろん、これは、安倍首相のだけの話ではない。
私を含めて、全ての利用者に共通することである。

システム全体に対する知識がある訳ではないので、断定はできないが、いったん発信したツイートは、取り消す事が出来ても、ネット上に存在するものまでは、取り消すことは出来ない、はずである。

まして、ユーザーにコピーをされてしまえば、永遠に残る、と言ってもよい。
誰かが、ブログなどにそのコピーを張り付ければ、それは瞬く間に、拡散していく。

このことが理解できていたと言えるか。
また、たとえ首相の要請とはいえ、受ける側の山本一太氏にも、問題がある。
そのような要請は、断じて、断るべきであった。


これが「ネット戦略アドバイザー」のすることか。
繰り返しになるが、あきれ果てる。

「国民を見下した」行為である、とまでは、私は断じるつもりはない。
だが、自らが、「私が最高権力者である」と言い切った以上は、その責任は重い。

(2015年5月4日  7:30)