2015年5月26日火曜日

安保法制審議  率直で、心のこもった討論を期待する


この国会審議において、我々日本国民が本当に聴きたいのは、上手な質問や答弁ではない。率直で、真剣で、心のこもった討論である。この法案が、本当に日本の国民のためのものであるのか、かえって、日本国民の安全を脅かすものになるのではないか。これを明らかにするための、力のこもった議論を期待したい。
安倍首相が、米国議会の演説において、夏までに成立させると約束した、安保法案の審議が始まった。与党の自民党・公明党は、この法案について、1年間
にわたる時間をかけて検討したとのべる。それを、夏までという期限を切って、国会で審議をするという。


朝日新聞が、野党各党は、他国への攻撃に自衛隊が反撃する集団的自衛権や、自衛隊による他国軍への後方支援の拡大を盛り込んだ法案について、
国会審議を通じて問題点を追及していく構えだ、と報じた。
安保法案、衆院審議入り 集団的自衛権など本格論戦へ=朝日D

 率直で、真剣で、心のこもった討論を期待する

久しぶりで、国会の審議中継を見た。
相も変わらぬ風景である。
あれではまるで、セレモニーと同じこと。

質問するほうも、答弁するほうも、手元の「答案」を見ながらの、お粗末な審議風景であった。
これなら、中学生でも勤まる。

野党の演説者の質問を聞く、安倍首相には、みじんの緊張感が感じられなかった。
初めから質問の内容が解っているからだろう。

野党側の演説が終わると、すぐに演壇にたった安倍首相は、とうとうと、「答案」を読み上げた。
読み上げるのか、下手であったかどうかは、この際、問題にはすまい。

問題は、手元の紙を見ながら、始終うつむき加減に答弁したことである。
安倍首相本人の心から出たものである、と感じられる言葉は、ついに聴くことが出来なかった。

おそらくは役人が用意したであろう「答案」を、ひたすらに、読み上げるのみであった。
別に漫才の「掛け合い」のような議論を期待しているわけではない。
だが、もう少し、心のこもった答弁が出来ないものか。

我々が本当に聴きたいのは、ありきたりの質問や答弁ではない。
率直で、真剣で、心のこもった討論である。

質問者も、答弁するほうも、「答案」を用意する。
議場には、ちゃんと速記者がいるのだ。
これが、我が国の国会の慣例なら、そんな慣例は早くなくしてもらいたい。


 安倍首相が答弁すべきという記事の紹介

ネットで見つけた記事を紹介したい。
そのうちの二つを張り付ける。


★ これは、ネットサイトの質問コーナーでみつけたもの。

・まったく安倍のやる事は支離滅裂

安倍が言い出しっぺなんだから安倍が答弁すりゃいいんだよ。
答弁は安保大臣に任せ実権は国家安全保障会議(NSC)座長の自分が握り戦争判断はすべて自分が決めるんだからね。
 安倍の説明じゃ誰一人(バカウヨ除く)理解出来ない集団的自衛権。自分の無能を回避するために答弁のためだけのポストをつくって逃げ回る姑息安倍。
クビだな。
これは、かなり以前に見つけたもので、元記事が見つかりません。
これは、私の創作ではありませんので、くれぐれも、誤解のないように。
もっとも、気持ちは、私も同じです。

少し言葉は悪いですが、短い言葉で、的確にとらえています。


★ Foresight というサイトの記事から。

「安全保障担当相」適任は「安倍首相」である
今や日本は、国の命運を左右する、戦争・紛争・武力衝突・武器使用・軍事的脅威といった防衛・安全保障のイッシューに真っ向から取り組まなければならなくなった。しかも今後の関連法制整備には、「日本国の武器使用の正当性」について国際社会の理解と認知を得られる的確性が求められる。
 思うに今回の政治決定は、「集団的自衛権を行使する意思」が、安倍総理の「固い信念」によって、極論すれば総理個人の執念が勝って閣議決定された印象が強い。
確かに総理の意思がひ弱であっては困るのだが、「私の言っていることは正しい。だから、私に逆らうのは間違いである」と、強過ぎるのも如何なものか。
安倍総理が自ら解説してきた「日本独自の集団的自衛権行使の事例」には、「戦闘態勢下では攻撃目標となる米海軍艦船による邦人救出」という、非現実的であるが「邦人を対象とする人道に訴えた事例」など、国民の琴線に触れるよう行われた論理の転化があった。ここに容認を喚起する「意図」が働いたことで、「国際社会が認知している集団的自衛権の本質」との乖離が生ずるという「悩ましい問題」が残されたと考えられるのだ。
上品な言葉で書かれています。
でも、言いたいことは、初めに紹介した人と同じことでしょう。
要するに、安倍首相自らが、正面に立って、答弁すべきだ、ということでしょう。

◆ 安倍首相が答弁に立ってこそ、国民も納得できる

 何故、安倍首相は、この安保法制案を、中谷元氏に任せたのでしょうか。
安倍首相が答弁に立つ方法はいくらでもあるはず。
細かい技術的なことは、官僚が答弁してもいい。

安倍首相も、末梢的なことではなく、本質的な議論をすべきである、と野党に注文をつけている。
そうであるなら、安倍首相で、十分なはずである。

今後の日本の進路を根底から覆すような法案だ。
「私が、最高指揮官である」と自らが述べる、安倍首相が答弁に立ってこそ、国民も納得できるであろう。
テレビで、1時間やそこら話したから、国民への説明責任は果たした、などと思ってもらっては困る。

安倍首相が正面に立っての、率直で、力強い討論を期待する。

(2015年5月26日)