(214)
先日、安倍首相が会見をして、集団的自衛権の行使についての
自身の考えを表明されました。
その会見について、要旨をまとめながら、コメントをしてみます。
要旨は、以下の4点です。
① 現在では、海外にいる、日本人を救ってくれる、米国を助ける事が出来ない。
②海外のボランティアやPKOの隊員などを、自衛隊が助けられないのは、不都合。
⑤報告書の内容。論点は、二つ。
* * *
① 海外にいる、日本人を救ってくれる、米国を助ける事が出来ない。
これが現在の憲法規定である。(以下、青字が、会見の要旨)
いま世界中の軍隊で、米国に対して、自分から攻撃をしようとするような、強力な軍隊があるとは思えません。
米軍は、現在、世界中で最も、強力な軍隊です。
このような前提自体が、ナンセンスです。
次に、第一、日本国に日本人を救う義務があるのなら、米国も、同様でしょう。
当然の事として、まずは、米国人を救うでしょう。
「急に」ということですが、米国の動きを見ていれば、その国で、紛争が起きるかどうか、よく解ります。
それくらいの情報は、米国も提供してくれるでしょう。
また、その国にいれば、紛争が起きそうかどうかは、判断できる、でしょう。
まず、その国の国民が動きます。その動きをよく見る事が大切です。
さらには、外務省も、大使や公使を派遣して、情報の収集にあたっている、はずです。
前もって、その情報が得られないとしたら、大使も公使も必要ありません。
②海外のボランティアなどの隊員を、自衛隊が助けられないのは、不都合。
ボランティアであれば、無理をしてまで、危険な地域に行くべきではない、と思う。
「それでも行く」というなら、まずは、自己責任で行く、べきであろう。
そして、すこしでも危険が迫っていると感じたら、すぐ退避行動をとるべきです。
そこまで、政府が面倒を見れないでしょう。
PKO活動は、明確に、軍事行動です。
攻撃対象になるのは、避けられません。
まして、PKOで活動するような地域は、元々、安全でない所です。
だから、警察ではなく、軍隊がいく訳ですから。
いくら、後方支援であるとか、治安維持が目的である、とか言っても、武器を携帯している以上は、(軍隊であるから)攻撃されても、文句は言えないでしょう。
現在、自衛隊が海外に出かけていること自体が、すでに憲法違反です。
この事自体が問題にされず、すでに前提になっていること自体が、論理が逆転しています。
まず、政府がすべきことは、この違憲状態にある「自衛隊の海外派遣」を取りやめること、でしょう。
③北朝鮮のミサイルが、日本を狙っている。一国では、守れない。
良し悪しは別にして、現在、日本は世界最強の米軍に守られています。
その日本を攻撃することは、出来ないでしょう。
米国は、かっての不可侵条約を破って、日本に攻め入った、ソ連と同じではない、と信じます。
もし、米国が日本を守らない、というのなら、安保条約は、すぐに破棄すべきです。
何のために、膨大な土地を提供し、多大な犠牲を払っている、のでしょうか。
まず、この事の検討がなされるべきである、と思います。
④だから、国内法を整備する。
何故、いきなり国内法の整備の話になる、のでしょうか。
まず、現在の自衛隊の海外での活動の合法性について、根本から、検討すべきです。
海外に出ていくから、軍事同盟国からの攻撃の対象になるのです。
何と言われようと、我が国は、自衛隊を海外には出せない、と言えばいいのです。
それが、現在日本国が取れる、安全保障政策である、と主張すればいいのです。
次に、日本は大統領制ではありません。
議員内閣制をとっており、最高機関は国会です。
この事について、安倍首相には、誤解があるようです。
もっとも、「憲法が権力を縛るものであったのは、近代以前の事」、という認識の首相には、
理解できない事でしょうが。
⑤「報告書」の内容。
A :個別、集団を問わず、自衛のための武力の行使は、合法、合憲。
だが、決して、戦争はしない
「これから侵略戦争を始めます」、と国民に説明して、戦争をした国があったでしょうか。
戦争を始める時は、自衛のための戦争、というのが、決まり文句です。
B: しかし、安全が脅かされた時は、限定的に集団的自衛権を行使する。
まず、閣議決定後、改憲が、必要かどうか、国会で検討に入る予定。
つまりは、このようになるということです。
公明党は既に、部分的な、限定的な、集団的自衛権の行使の容認に、賛成する意向を示している、と伝えられています。
元々、そういう党なので、別に驚きはしません。
ただ、「女心と秋の空」、と言いますが、分らないのは公明党という、党のことです。
公明党の綱領は何のためにあるのでしょうか。
党員は、真剣に考えたことがあるのかどうか、一度、聞いてみたいです。
*
安倍首相は、この会見で、「国民の命と暮らしを守る」、と何度も強調しています。
これは本当でしょうか。
一番に、福島の東電の事故現場の現実。
消費税の引き上げや、医療費の値上げ、など。
秘密保護法の制定。
「日本を売り渡すことになるであろう」TPPへの参加交渉、など。
これらの事を考えれば、首相の言葉は、信用できません。
かっての日本の陸軍は、「陸軍が第1で、国家は第2、第3だ」、と言った人があります。
私には、安倍首相にとっては、「安倍政権が第一であって、日本の国民は、第2、第3である」、としか思えません。
先日、安倍首相が会見をして、集団的自衛権の行使についての
自身の考えを表明されました。
その会見について、要旨をまとめながら、コメントをしてみます。
要旨は、以下の4点です。
① 現在では、海外にいる、日本人を救ってくれる、米国を助ける事が出来ない。
②海外のボランティアやPKOの隊員などを、自衛隊が助けられないのは、不都合。
③北朝鮮のミサイルが日本を狙っている。日本だけでは、守れない。
④だから、法律を整備する。⑤報告書の内容。論点は、二つ。
* * *
① 海外にいる、日本人を救ってくれる、米国を助ける事が出来ない。
これが現在の憲法規定である。(以下、青字が、会見の要旨)
いま世界中の軍隊で、米国に対して、自分から攻撃をしようとするような、強力な軍隊があるとは思えません。
米軍は、現在、世界中で最も、強力な軍隊です。
このような前提自体が、ナンセンスです。
次に、第一、日本国に日本人を救う義務があるのなら、米国も、同様でしょう。
当然の事として、まずは、米国人を救うでしょう。
「急に」ということですが、米国の動きを見ていれば、その国で、紛争が起きるかどうか、よく解ります。
それくらいの情報は、米国も提供してくれるでしょう。
また、その国にいれば、紛争が起きそうかどうかは、判断できる、でしょう。
まず、その国の国民が動きます。その動きをよく見る事が大切です。
さらには、外務省も、大使や公使を派遣して、情報の収集にあたっている、はずです。
前もって、その情報が得られないとしたら、大使も公使も必要ありません。
②海外のボランティアなどの隊員を、自衛隊が助けられないのは、不都合。
ボランティアであれば、無理をしてまで、危険な地域に行くべきではない、と思う。
「それでも行く」というなら、まずは、自己責任で行く、べきであろう。
そして、すこしでも危険が迫っていると感じたら、すぐ退避行動をとるべきです。
そこまで、政府が面倒を見れないでしょう。
PKO活動は、明確に、軍事行動です。
攻撃対象になるのは、避けられません。
まして、PKOで活動するような地域は、元々、安全でない所です。
だから、警察ではなく、軍隊がいく訳ですから。
いくら、後方支援であるとか、治安維持が目的である、とか言っても、武器を携帯している以上は、(軍隊であるから)攻撃されても、文句は言えないでしょう。
現在、自衛隊が海外に出かけていること自体が、すでに憲法違反です。
この事自体が問題にされず、すでに前提になっていること自体が、論理が逆転しています。
まず、政府がすべきことは、この違憲状態にある「自衛隊の海外派遣」を取りやめること、でしょう。
③北朝鮮のミサイルが、日本を狙っている。一国では、守れない。
良し悪しは別にして、現在、日本は世界最強の米軍に守られています。
その日本を攻撃することは、出来ないでしょう。
米国は、かっての不可侵条約を破って、日本に攻め入った、ソ連と同じではない、と信じます。
もし、米国が日本を守らない、というのなら、安保条約は、すぐに破棄すべきです。
何のために、膨大な土地を提供し、多大な犠牲を払っている、のでしょうか。
まず、この事の検討がなされるべきである、と思います。
④だから、国内法を整備する。
何故、いきなり国内法の整備の話になる、のでしょうか。
まず、現在の自衛隊の海外での活動の合法性について、根本から、検討すべきです。
海外に出ていくから、軍事同盟国からの攻撃の対象になるのです。
何と言われようと、我が国は、自衛隊を海外には出せない、と言えばいいのです。
それが、現在日本国が取れる、安全保障政策である、と主張すればいいのです。
次に、日本は大統領制ではありません。
議員内閣制をとっており、最高機関は国会です。
この事について、安倍首相には、誤解があるようです。
もっとも、「憲法が権力を縛るものであったのは、近代以前の事」、という認識の首相には、
理解できない事でしょうが。
⑤「報告書」の内容。
A :個別、集団を問わず、自衛のための武力の行使は、合法、合憲。
だが、決して、戦争はしない
「これから侵略戦争を始めます」、と国民に説明して、戦争をした国があったでしょうか。
戦争を始める時は、自衛のための戦争、というのが、決まり文句です。
B: しかし、安全が脅かされた時は、限定的に集団的自衛権を行使する。
まず、閣議決定後、改憲が、必要かどうか、国会で検討に入る予定。
つまりは、このようになるということです。
公明党は既に、部分的な、限定的な、集団的自衛権の行使の容認に、賛成する意向を示している、と伝えられています。
元々、そういう党なので、別に驚きはしません。
ただ、「女心と秋の空」、と言いますが、分らないのは公明党という、党のことです。
公明党の綱領は何のためにあるのでしょうか。
党員は、真剣に考えたことがあるのかどうか、一度、聞いてみたいです。
*
安倍首相は、この会見で、「国民の命と暮らしを守る」、と何度も強調しています。
これは本当でしょうか。
一番に、福島の東電の事故現場の現実。
消費税の引き上げや、医療費の値上げ、など。
秘密保護法の制定。
「日本を売り渡すことになるであろう」TPPへの参加交渉、など。
これらの事を考えれば、首相の言葉は、信用できません。
かっての日本の陸軍は、「陸軍が第1で、国家は第2、第3だ」、と言った人があります。
私には、安倍首相にとっては、「安倍政権が第一であって、日本の国民は、第2、第3である」、としか思えません。