2014年5月2日金曜日

STAP細胞「騒動」考(2) 理化学研究所の対応は、正しかったか。

[STAP細胞」騒動の2回目です。
今回は、 理化学研究所(以下=理研)の対応は正しかったか、です。


このテーマは、今回の「騒動」の一つの核心でもあると思います。
まず、この度の「騒動」について、経過をまとめます。

 ①1月28日、 理研で開かれた記者会見の場でSTAP細胞が発表


 ② 1月30日号 イチャー誌 に論文が掲載された   

 217 - 理研STAP細胞の   疑義に関する調査を開始 
 ④314 - 理研STAP細胞の疑義に関する調査の中間報    
 ⑤  317 -  発生・再生科学総合研究センター、細胞の論文・・ウェブサイトから削除
    320 - 下村博文文相は理研に対し4月中までに・・最終報告書をまとめるよう・・方針
  ⑦41 -理研STAP細胞の疑義に関する調査の最終報告
  ⑧   48 - 小保方・・・・理研の調査結果に対し、不服を申し立てた
  ⑨49 - 小保方、STAP細胞の論文をめぐる問題について、記者会見を行った
  ⑩   414 - 小保方と弁護団、「49日の記者会見に関する補充説明」文書を報道陣に配布
  ⑪   428 - 理研の調査委員会、近日中に小保方氏の聞き取り調査・・電話で打診
  ⑫   430 - 小保方、理研の調査委員会に捏造改竄の解釈について質問状を提出した
(注①  wikipediayの記事を、整理し、まとめました)

簡単に整理すると、以下のようになります。
①理研で、最初の発表→②ネイチャー誌に論文が掲載→画像データーが不自然と、外部より指摘→④理研の中間報告→⑧理研最終報告→⑧不服申し立て→⑨記者会見→⑫質問状の提出。
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そして、今までに、4回の記者会見が行なわれました。
①は、 理研と小保方氏が同席。
④は、 理研のみ、小保方氏、同席なし。
⑦は、理研のみ、小保方氏、同席なし。
⑨は、小保方氏のみ、理研、同席なし。

①は、理研の研究所で行なわれ、その席で、STAP細胞についての発表が、初めてなされたのでした。つまり、理研の独自の業績として、公にされた、のでした。

④では、野依理研所長が、会見の冒頭で、 
「理研の研究者による研究論文に疑義があった(こと)・・・世間の皆さまをお騒がせし、ご心配をかけたことをおわびし・・。論文が科学と社会の信頼性を揺るがしかねない事態を引き起こしたことについて、・・。科学者は実験結果やそこから導き出される結論に全面的に責任を負(い)・・・STAP現象の再現性と信頼性は、理研の研究者が厳密に検証・・・(また)外部で十分な検証(する)・・・・ネイチャー論文(に)・・重大な過誤が・・あったことは・・遺憾(で)・・論文の取り下げも視野(にいれ)・・。科学者倫理を・・順守し・・・全所的に教育と指導を徹底する」
(注②)述べ、謝罪しました。
また、河合理事は、科学者としての倫理に反する振る舞いがあったことは事実であり、理研として職員の倫理観を再確認しないといけないのは誠に残念だ」と発言しました。

さらに、竹市雅俊(発生・再生科学総合研究センター長)が
不適切な表現などが多々あり、大きな混乱を招いたことをセンター責任者として心からおわび申し上げる。ネイチャーに投稿中だが、文の信頼性を著しく損ねる誤りが発見された。すみやかに撤回し、研究をやり直すことが最も重要だと私は判断し、論文撤回を著者に勧めた・・・
倫理観の育成、適切な情報管理を行うための心構えを再確認し、再びこのようなことが起こらないようにしたい」と、頭を下げました。

⑦では小保方氏が改竄(かいざん)にあたる研究不正行為を行った。
共同研究者の、他の3人の研究不正行為はなかった。

データ管理がずさんで、不確実なデータを論文に使用した可能性がある。
小保方氏が捏造(ねつぞう)にあたる研究不正行為を行ったと判断した。

と、いうような報告がなされました。

また、⑦と同じ日の午後の会見で、野依理研所長は、「誠に遺憾。科学社会の信頼性を損なう自体を引き起こしたことに対して改めてお詫びします」などと謝罪をしました。


以上が、大まかな流れと、会見の内容です。
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さて、これらの記者会見を見てみますと、
④は、マスコミ、ネットで騒がれる様になり、理研が「重い腰をやっとあげた」、といった感じでした。
 
そして、この会見には、小保方氏の姿はありませんでした。⑦も④と、同様です。

小保方氏を同席させなかったことに、ついては、理研からは、何の説明もありませんでした。
k 当然の処置である、と言う感じでした。

  ですが、これを普通の会社に置き換えて考えてみると、「常識」からはずれている、としか思えません。

『この度は、わが社の社員が、「不祥事」を起こしました。(事情を説明した後で)関係者の皆様には深くお詫びします・・・二度とこのような事を起こさないように十分に注意を致します』

と、なるのではないでしょうか。
そして、当事者に大きな責任がある場合は、その人も同席させるでしょう。

この場合は、小保方氏も同席させて、その上で、「ミスがあった」のなら、ともに謝罪や説明をするのが、普通ではないでしょうか。

それとも、研究や科学の世界の事であるから、世間一般とは違う、ということなのでしょうか。
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⑨では、反対に小保方氏のみ、でした。理研の関係者は、同席していません。
④⑦の流れからすれば当然のように思えますが、これも、常識からいえば、「異常」な事態です。

④⑦で、小保方氏を同席させていればよかったのです。

そうすれば、これほどまでに大きな「騒動」にはならなかった、でしょう。

これは、明らかに、理研の対応ミスです。
本来は、小保方氏を一方的に責めるべき、ではなかったでしょう。

私は、このやり方は、かえって理研の体質を露呈させることになった、と思います。
そして、心ある人々へは、小保方氏へ有利に働く結果をもたらした、と思います。

また、何故か、⑦があった日の午後に、野依所長の記者会見が行われました。
この対応も、理研には、二重のマイナスになった、と思います。
やはり、小保方氏を同席させるべきであった。

そして、総責任者として、共に頭を下げるべきであった、と思います。

理研の関係者は、この野依所長の対応に、「心の中」でどう感じたのでしょうか。

「立派であった」、と感じたことでしょうか。
私にはそうは思えません。
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本来であれば、小保方氏と共同して,事態の打開を図ることが必要であった、と私は考えます。
小保方氏は、理研にとっては、どういう存在であったのでしょうか。

「敵であった」のでしょうか。
理研にとって、対抗するべき相手だった、のでしょうか。  

私は、今回の理研の対応は、まるで「理研と関係がない研究者がおこなった」ことであり、「理研は部外者」であるかのような、印象を持ちました。

私だけの事でしょうか。
多くの国民がそう思ったのではないでしょうか。

今回の「騒動」において、真に責められるべきは、小保方氏ではなく、理研の対応のマズサである、と思います。

      (  注 ①)
     「 wikipediaの小保方氏の記事」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E4%BF%9D%E6%96%B9%E6%99%B4%E5%AD%90

    (注② )
    「 毎日新聞の記事から」

(この稿続く。長くなりましたので、次回に回します。 2014/5/2)
(タイトルを変更しました。それに伴って、一部文章の削除、加筆をしました。これで、この稿は終わりとします。  2014/5/3)