2015年7月30日木曜日

政府の首相補佐官が、「法的安定性は関係ない」と暴言

与党の自民党内からだけでなく、安倍政権内からも、「とんでもない発言」が、飛び出した。
首相補佐官の礒崎陽輔氏が、安保関連法案について、「法的安定性は関係ない」と、自身の講演会で述べていた。




この講演会は、今月の26日に行われた。
安保法案の国会審議が、ようやく参議院で審議入りする、前日のことである。

礒崎陽輔氏は、首相補佐官であり、現職の国会議員でもある。
しかも、これから審議が始まろうという、当の参議院に所属する議員だ。


 身内をかばい、「更迭すること」が出来ない、安倍首相

首相補佐官であり、現職の参議院議員が、これから審議入りする予定の安保法案のについて、「法的安定性は関係ない」と、公の場で述べた。

こう述べたこと自体が、「問題である」のは当然のことだが、肝心なことは別にある。
それは、講演でこのように話しても、そのことが「問題にはならない」、と考えること事体である。

もし、今、こんなことを発言すれば、「問題になる」という認識があれば、このような発言を公の講演会で、話すわけがない。
だから、これは、「確信犯」だ。

そして、さらに問題なのは、磯崎氏が、「(安全保障関連法案の審議は)九月中旬までには何とか終わらせたいが、相手のある話だから簡単にはいかない」とまで、述べていたことだ。

安倍首相が、安保法案を「夏までに成立させる」と、米国の議会での演説で述べた。そのことが、さんざん、衆議院で問題にされた。
このことについて、まるで、「反省」がない。


一方の安倍首相は、野党の「石崎氏を更迭すべきだ」という批判には、「まるで「耳を貸さない」という態度に、始終している。

今日も、国会の審議の場で追及されていた。
それで、菅長官だけでなく、「私も、電話で注意した」と述べた。

だが、安倍首相は、28日の夜には、党内の若手と会食を持っている。
その時、磯崎氏も、同席していた。

会食の終了後に、店の外で待ち構えていた報道陣にたいし、磯崎氏は「総理からは、何も話がなかった」と、だいぶん「酔いが回った」顔で、答えた。

安倍首相自身も、「ほかにも、大勢の議員がいたので、話をする機会がなかった」と、認めた。
そのうえで、「更迭する意思はない」と、改めて、表明をした。
そればかりでなく、磯崎氏を「かばうか」のような発言をした。

(磯崎氏の発言は)「憲法との関係とともに、我が国を取り巻く安全保障環境の変化を十分に踏まえる必要があるとの認識を示した発言」だ。
だから、「しっかりと職務に取り組まなければならない」と答弁し、野党の追及をしりぞけた。


さて、例のよって、谷垣幹事長が29日に、さっそく公明党に「陳謝」した
またも、国民に謝ることより、「公明党」を優先した。

谷垣氏の頭の中にも、「国民は、存在しない」ようである。
国民のことは、「二の次」のような態度だ。

さきに、自民党の若手の「マスコミを懲らしめる」という発言で、国民への謝罪を後回しにして、自らが「陳謝しなければならなくなった」ことは、もう「記憶のかなた」に、いってしまったようだ。


◆ 安倍政権の「命取り」になる事が解っていても、何もできない首相

安倍首相が「政権を投げ出す」前にもそうであったが、今の安倍政権や、自民党の「緊張感のなさ」は、「目にあまる」ものがある。

それは、どんな発言しても、すぐに菅長官が「火消し」に走る。
安倍首相は、絶対に、「責任を取らせて、更迭する」と、いうことをしない。

それをすれば、また「ドミノ倒し」が起こり、前回の「二の舞」になることを、恐れているからだろう。
だから、それが余計に、「緊張感を欠く」という結果を産んでいる。

「負のスパイラル」(悪循環)が起きている。
このままでは、いずれ、それが安倍政権の「命取り」になる。

安倍首相は、自身でこのことに「気づいている」と思う。
しかし、それをどうすることも出来ない。

安倍首相の「ジレンマ」が、ここにある。

(関連サイト案内)
安保関連法案 礒崎首相補佐官の発言に与党幹部からも苦言=FNN
礒崎首相補佐官の参考人招致決定=TBS
(2015年7月30日)