安倍首相は、自身の発言がどのような影響を世界に「与える」のか、本当に理解できているのであろうか。
「よりにもよって」、安保法案の必要性で、「中国」を名指した。
首相の「目」は、その発言と「うらはら」に、「内向き」でしかないように思える。
安倍首相が、国会において、「安全保障環境」の変化にかんして、次のように述べ、中国の動きを名指しで、「批判」した。
菅長官が、
◆
衆議院での安保法案の審議の時は、まだ、「名指し」で批判するような姿勢を見せてはいなかった。
その時の委員会での安倍首相の発言は、「控えめ」のものであった。
「日本の基本的な立場は力による現状変更は許せないということだ。国際社会が一致協力して声をあげていかなければならない」と述べるに、留まっていた。
菅長官も、「国際的な規範を順守し、地域やグローバルな課題に建設的、協調的な役割を果たすべきだと強く申し上げている」と述べただけである。
ところが、今回は、違う。
この発言は、中国が「仮想敵国」である、と安倍政権が想定していることを認めた。そういうことだ。
しかも、それを国会の本会議場において、「公表」した。
これは大変なことだ。
本来であれば、このような発言は、「何があっても」慎むべきことだ。
「ヘタをする」と、本当の「戦争」に発展しかねない。
安保法案の審議において、国民の大半が、「説明が足りない」「この法案は、今国会において、成立させるべきではない」と、反対をしている。
野党だけでなく、(公明党の支持母体である)創価学会の会員からも、反対の声が上がりだしている。
内閣の支持率も、4割を切った。
3割を切ると、政権が「持たない」といわれる。
そういうなかにおいて、安倍首相が、焦るのは、解る。
だが、このような発言をしたからといって、「国民の反対」の意思が変わるわけではない。国会審議が「好転」する訳でもない。
今、安倍政権が出した法案の行方を注目しているのは、日本の国民だけではない、のである。
世界の国々が、注視している。
国の代表である総理大臣が、このような発言をする場合には、「それ相応の覚悟」が、必要なのだ。
その「覚悟」が、安倍首相には、「ある」のか。
(2015年7月30日)
「よりにもよって」、安保法案の必要性で、「中国」を名指した。
首相の「目」は、その発言と「うらはら」に、「内向き」でしかないように思える。
安倍首相が、国会において、「安全保障環境」の変化にかんして、次のように述べ、中国の動きを名指しで、「批判」した。
「我が国を取り巻く安全保障環境はますます厳しさを増しております。東シナ海においては、中国が公船による領海侵入を繰り返しています。南シナ海においては、中国が活動を活発化し、大規模かつ急速な埋め立てや施設の建設を一方的に強行しています」(TBS NEWS)この発言を「補強」するかのように、安倍政権が、中国のガス田の写真を公開した。(もっともこれは、7月22日のニュースであるが。)
菅長官が、
「日中中間線の中国側で、2013年6月以降で新たに12基、それ以前から確認しているものを含め合計16基の構造物を確認した」・・・(また)「中国側が一方的に資源開発をすることは極めて遺憾だ」と述べた。
◆
衆議院での安保法案の審議の時は、まだ、「名指し」で批判するような姿勢を見せてはいなかった。
その時の委員会での安倍首相の発言は、「控えめ」のものであった。
「日本の基本的な立場は力による現状変更は許せないということだ。国際社会が一致協力して声をあげていかなければならない」と述べるに、留まっていた。
菅長官も、「国際的な規範を順守し、地域やグローバルな課題に建設的、協調的な役割を果たすべきだと強く申し上げている」と述べただけである。
ところが、今回は、違う。
この発言は、中国が「仮想敵国」である、と安倍政権が想定していることを認めた。そういうことだ。
しかも、それを国会の本会議場において、「公表」した。
これは大変なことだ。
本来であれば、このような発言は、「何があっても」慎むべきことだ。
「ヘタをする」と、本当の「戦争」に発展しかねない。
安保法案の審議において、国民の大半が、「説明が足りない」「この法案は、今国会において、成立させるべきではない」と、反対をしている。
野党だけでなく、(公明党の支持母体である)創価学会の会員からも、反対の声が上がりだしている。
内閣の支持率も、4割を切った。
3割を切ると、政権が「持たない」といわれる。
そういうなかにおいて、安倍首相が、焦るのは、解る。
だが、このような発言をしたからといって、「国民の反対」の意思が変わるわけではない。国会審議が「好転」する訳でもない。
今、安倍政権が出した法案の行方を注目しているのは、日本の国民だけではない、のである。
世界の国々が、注視している。
国の代表である総理大臣が、このような発言をする場合には、「それ相応の覚悟」が、必要なのだ。
その「覚悟」が、安倍首相には、「ある」のか。
(2015年7月30日)