2015年7月19日日曜日

逃げまわる自民党 街頭演説を当面見送り


連休に入ったが、家の外は、静かである。
予想された「街頭演説」がない。
「おかしい」と思ったら、そのはずだ。
理由は、「ヤジ」が怖くて、だそうだ。

国会審議だけでなく、国会の外においても、「逃げまわる」自民党。

その自民党が、また、新たな「お触れ」を出していた。
今度は、街頭での演説をするな、というものだ。

今こそ、自民党や公明党の議員の一人一人が、自分で考えるときだ。
 「殻(から)」のなかに閉じこもっても、国民の「理解」は、進まない。


◆ 国民と対峙せず、「殻」に閉じこもる自民党
自民党が、国民からの「ヤジ」を恐れて、街頭での演説を当面の間、見送りする、と報道が伝えている。

代わりに、今後は、党本部から安保に詳しい役員や学者を、全国に派遣して勉強会を開く、予定にしているのだという。
あれだけ、「学者」をあてにはならない、「実情をしらない」と非難しておきながら、である。

都合のいい時だけには、学者を利用する。
まったく、「勝手な」論理だ。

自民党は、これ以前にも、テレビへの出演を禁止した。

あるテレビに出る予定であった議員らが、急に「都合がつかない」と、テレビ局に断ってきた。
最後まで、出演をOKしていた議員も、「体調不良」を理由に、出ることをしなかった。

テレビで、安保法制について議論をすれば、「大いに理解」が進む、というものでもないだろうが、「幹部が出てもよく、若手はダメ」というのは、腑に落ちない。

「失言」を恐れてのことであろうが、それでは、自民党のなかでさえ、安保法案に関して、理解されていない。
そう、「証明している」ようなものである。

さらには、アンケートのこともある。
テレビに関することが、あった後だ。

TBSが行った、安全保障関連法案についてアンケートに、答えないように、指示を出していた。


◆ 「自分で考える」べきは、自民党や公明党の国会議員
「あれをするな、これをするな」と、これでは、まるで、「子供扱い」である。
これでは、自民党の本部の「操り人形でいろ」といっているのと、変わりがない。

議員のひとりひとりは、「自民党に所属している」という前に、国民を代表する国会議員である。
その国民と「話さず」して、誰と話をするのか。

さすがに、党内では(外には、たいして漏れてはこないが、)不満がたまっているようだ。

当然だろう。
これを「当たり前」のこととして、容認するとしたら、その時点で、もう国会議員としての、資格がない。

こんなことになるのは、この法案について会議が、―何回も会議を持った、と自民党は説明をしているが―ほんの一部の議員の間だけで、行われてきた。

だから、自民党内においてさえ、「理解」されていない。
こういうこと、ではないか。

とくに、若い議員は、「砂川判決」や、PKO法「案」のことなど、ほとんど知らないであろう。
まして、国際法との関連など、よほど自分で勉強しないかぎり、解るまい。

今こそ、国民は自分で考えるときだ、という主張がある。
それは、当然のことだ。

だが、今、それ以上に、「自分で考える事」が求められているのは、(与党である)自民党や公明党の国会議員ではないか。



◆ もはや、マスコミが、世論を誘導することは出来ない

さて、一方で、デモのことが、ネットを「騒がして」いるように見受ける。

あるブログの記事では、「自民党のマスコミ批判」で、厳重注意を受けた自民党の議員が、また、マスコミ批判を繰り返している。

二枚の写真をとりあげて、デモの人数の報道が、「秩序を欠いている」、と批判をしている。
安保闘争の時の写真(1960年6月18日)と、もう一枚の写真を比べ、6万人の参加者数が、「ウソ」だと断じている。

だが、安保闘争の時、6月15日のデモ隊の人数は、33万人(主催者発表)である。この時、樺美智子さんが、圧死した。
議員が示した、安保闘争の時の写真は、そのすぐ後のデモ(6月18日)のものだから、おそらく、もっと多い人数であった、と思われる。

それを、6万人と比較して、「ねつ造」報道だと断じることは、それこそ、公正さに欠ける。
そもそも、議員自身が、 全体の人数を把握したうえで、「ウソ」と断じているわけではない。

一枚の写真を取り上げて、その写真から、6万人と書いたことを批判しているだけのことだ。
その写真の反対側には、もっと多くの人びとが、いたかもしれない。

また、当然、その記事には、主催者発表という「注意書き」があったはずだ。
氏は、警察発表が、5000人であることも、「ウソ」の根拠にしているが、もともと、警察発表は「少なく」見積もる、のが普通だ。

反対に、主催者発表は多くなる、という傾向がある。

なによりも、双方ともが、すべての人数を確認したうえで、発表しているわけではなかろう。
野球場に来た人数を数えるのとは、訳が違う。

また、人数でいえば、国会周辺だけが、問題なのではない。
日本の各地で、デモは行われている。

マスコミは、これらのデモを、最近まで「無視」して、報道してこなかった。
あるいは、「控えめ」にしか、報道しなかった。
むしろ問題は、このことにこそ、ある。


このような報道のしかたが、「世論をゆがめる」と、批判している。
だが、国民は、「馬鹿」ではないし、昔と違って、「生(なま)」の情報を得ることが出来る。

国会の審議を見ることは、 NHKによる中継以外にも、手段がある。
国会自身が、インターネットで、国会中継をしている。

中継をその時間にみることができなくても、「録画」で見ることが出来る。

また、それが、youtubeで、アップされる。
その動画を見ることも出来る。

生(なま)の審議の状態を見ることが、いつでも出来る。
つまり、マスコミが、国民を誘導することは、もはやできない。

マスコミを頼らずとも、自分で、情報を取ることが出来る人びとが、増えてきている、のが現状だ。

自民党の説明不足を、マスコミのせいにしても、何も変わらない。
世論を変えたかったら、まず、自民党自身が変わることである。

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(2015年7月19日)

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