2016年9月28日水曜日

G・アチソン顧問→保守的で用心深い階層を代表する政権

<児島『講和条約』第1巻>
マッカーサー元帥は、日本民主化のためには次の五項目の実践が必須である、と、幣原首相に告げた。



① 参政権の賦与による夫人の解放
② 労働組合の組織の奨励
③ 学校教育の自由主義化
④ 秘密審問司法制度の廃止
⑤ 経済制度の民主化、独占の是正

首相は、いずれも実行できる、と即答した。

じつは、首相は、親任式後の初閣議で政府がただちに取り組むべき課題として、八項目を決定していた。

<1> 民主主義の確立 
<2> 食糧問題の解決
<3> 復興問題
<4> 失業問題
<5> 戦災者の救護、在外同胞および軍隊の処理」
<6> 行政整理
<7> 財政および産業政策
<8> 教育および思想

この八項目に照合すると、マッカーサー五項目の④は<1>、②は<7>、③は<8>、⑤は<7>にふくまれるであろう。

幣原首相は、八項目を説明して、日本には戦前に「民主主義の潮流」があった、必ず実現すると述べ、声音を竹目て付言した。

「日本において「デモクラシー」が成功する以上は、日本国民の長きに期間置かれてきた環境に適合するものになる・・日本的「デモクラシー」となるものと考える」

とりあえずは愛想よく首相を送りだしたあとで、元帥は渋面をあらわにした。

元帥は、5項目を提示する前に、民主化のための社会改革を求め、次のように主張していた。

「右は、疑いもなく憲法の自由主義化を含むこと」

つまりは、元帥の要求は6項目であり、とりわけて憲法改正を最重要テーマとして指摘したのだが、首相はそれにはふれずに去った。

幣原喜重郎


実際には、幣原首相も憲法改正を緊要事と認識し、すでに国務大臣松本治を主務者にすることを内定していたが、事前に通告は不要とみなして、元帥に話さなかったのである。

元帥は、だから、憲法改正に言及せず「日本的デモクラシ―」を強調する首相に、不安感をさそわれた。

幣原内閣も東久邇内閣に似て、口先で民主化を唱えながらも、実行となるとにげだすのではないか・・・・。

政治顧問代理G・アチソンは、とっくに幣原内閣に期待できない旨を表明していた。

陸海相を別にして3人が前内閣留任(吉田外相、岩田宙造法相、前田多門文相)、一人が横すべり(松村謙三厚生→農相)、そして新閣僚も旧指導層出身という構成である。

「」と、いうのが、アチソン政治顧問代理の幣原内閣の性格規定である。(p・17-18)

(2016年9月28日)

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