2015年4月18日土曜日

自民党のNHKとテレビ朝日への聴取は、内閣の「やらせ」、公正さに欠ける:

自民党が、NHKとテレビ朝日を呼びつけた件で進展があったので、思うところを書いて見たい。

放送法の第3条は、「放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、または規律されることがない」と定めている。


この条文を素直に読めば、今回の自民党のとった行動は、明らかに違法行為である、といえる。
最初に、このことを改めて確認しておきたい。


まず、自民党の部会の姿勢である。
自民党は放送法に沿った対応をしていると言っているが、今回の「事情聴取」を非公開で行った。

放送局に公正な報道を望むのなら、自民党も公正に対応すべきだろう。
また報道は、今回の取材活動について、自民党が「身内」の報道機関のみを建物の中に入れ、他の報道機を排除したと伝えている。

これでは密室政治と同じであり、とても公正な態度とはいえない。
これでは、会議で何が話され、何が問題にされたのか、国民は知ることが出来ない。

会議の終了後、報道陣に囲まれた二人は、あたり触りのない返事しかせず、どんなことを聞かれ、何を答えたのか、明らかにはしなかった。
それは当然の事だろう。

当の自民党が非公開にしているのである。
つまり何を問題視し、何をただしたのか、国民には明らかにしない、という姿勢なのだ。
呼びつけられたほうが、その事を明らかに出来ないのは当然だろう。

いやしくも、自民党は公党であり、まして政権党だ。
呼びつけたなら呼びつけるで、国民の見ている前で、堂々と放送局の話を聞くべきであり、自分達が何を問題視したのかを、明らかにするのが筋だろう。

そういう態度だから、いくら菅長官が否定しても「本当は圧力があったのでないか」と、国民が勘ぐりたくなるのである。


自民党の幹部が今回の件について、NHKは「だm」であり、テレビ朝日だけを呼ぶと、国民から批判を受ける。
的は、テレビ朝日を「締めあげる」ことにある、と非公式に述べたそうである。
いかにも、考えられそうなことである。

NHKの行為は、明らかに「やらせ」であり、テレビ朝日の今回の件とは、別の問題だ。
また、やらせは、これまでも度々問題になっている。
やらせのことで他局を呼びつけず、HHKだけを呼びつけたのは、それこそ公正を欠いている。

また、内閣の態度も、おかしい。
菅長官は、「何も問題が無い」と言いきった。
このような態度こそ、問題とすべき事だ。

菅長官には、はじめから言論の自由などということは、頭にないのかもしれない。
この度も、粛々と、今後の経過を見ていく、という心づもりなのだろう。

他の大臣も、同様だ。
何も問題にしていない。

首相である、当の安倍総理自身が、民放のテレビに出演中に、テレビ局に注文をつける発言をし、国会で質問を受けたことがある。
その時に、安倍総理は「私にも自由に意見を述べる、言論の自由がある」と答弁したことがある。

まるでトンチンカンな答弁を首相がするのだから、他の大臣が問題視しないのは当然のことかもしれない。
また、下手なことを言えば更迭される。
「三猿」でいたほうが安全であろう。

元よりこれは、多くの国民が感じているように、自民党による内閣のための「代理戦争」である。
内閣が問題視するはずがない。
これこそが本当の「やらせ」である、といえるだろう。

(2015年4月18日)