2015年4月28日火曜日

日米両政府が、日米防衛協力指針(ガイドライン)の再改定で合意した:

日米両政府が、27日(日本時間で深夜)に、外務・防衛閣僚会合(2プラス2=合計4人の閣僚での会合)を開き、自衛隊と米軍の役割分担を定めた、日米防衛協力指針(いわゆるガイドライン)の再改定で合意した、と報じられた。

新たに、中東のホルムズ海峡を念頭に、戦時の機雷掃海で自衛隊と米軍は協力する、などと明記されたようだ。



記事は、「これに先立ち、国内では自民、公明両党が安全保障法制に関する与党協議で、
主要条文に合意した。戦時の機雷掃海に公明党は慎重で、安保法制で実施できるかどうか議論が続いている。与党協議より、米国との合意が先行したことになる」と伝えている。 


今回の安倍首相の訪日は単なる親善のためのものではない、と思われる。
何よりも、日米防衛協力指針(いわゆるガイドライン)の改定が、大きな目的の一つであろう。

今回、安倍首相は、自身の念願であった、集団的自衛権の行使の容認に踏み切った。
そして、着々とそのための準備を進めつつある。

もちろんこのことは、オバマ政権も歓迎していることである。
むしろ、オバマ政権が積極的に要請してきたことである、と言えるかもしれない。

もし仮にそうだとすると、米国議会の演説にしても、単なる儀礼的なものではない、という印象が強くなってきた。
誤解を恐れずに言ってしまうと、これは安倍首相への「ご褒美」なのではないか、と思えるようになってきた。

記事は、「与党協議より、米国との合意が先行したことになる」と述べるが、もっと重要な点が抜けている。
この東京新聞の記事によれば、与党間での合意があれば問題がない、とも読み取れる。

しかし、問題は、そんなことではない。
たとえ、自民党、公明党の両党間で、全てにおいて合意に達していようとも、手続き上は大きな問題がある。
まず、国会で十分に討議された後、採決される必要がある。

自民党、公明党が、多くの国民が反対をする中においても、性急に両党で合意条件を決めた。
それを受けて、国会での審議が十分に尽くされていないにもかかわらず、安倍政権がガイドラインの改正に踏み切ったことは、国会が国権の最高機関である、と規定する日本国憲法に背くものである。

と同時に、多くの日本の国民の願いを踏みにじるものである、と思う。


何よりも、このことは日本国憲法より、安保条約のほうが上位にある、ということを証明するものではないか。
独立国である日本国において、国内の最高法規である日本国憲法に優越する法律が存在するということではないか。

端的に行ってしまえば、日米安全保障条約が日本国憲法に勝るということを暗示している、と観るべきではないのか。

これで本当に、独立国家である、と胸を張ることができるのか。
安倍首相の何よりの願いは、「日本国を取り戻すこと」なのではなかったのか。

これでも、日本国を取り戻したといえるのか。 
お世辞にもそんなことは言えないだろう。

これでは、到底、日本が自立して、自国の安全保障のための体制を構築することは出来ない、というべきであろう。
つまるところ、自衛隊は、米軍の前線に立たされる、という結果になるのではないか。

(2015年4月28日)


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