22日の安倍首相のバンドン会議での演説は、興味深いものであった。
はたしてこの演説で、安倍首相は、アジア・アフリカの国民の胸を打つものであったのだろうか。
現在、安倍首相は、米国との軍事同盟を強化するために、集団的自衛権の行使に関する法整備を進めている。
この会議が終わった後には、米国の議会における演説が予定されている。
果たして、米国の議会では、どのような演説がなされるのか、注目したい。
(youtubeの動画より)
★
安倍首相は、この演説において、アジア・アフリカの国々が、連帯することを強調した。
また、そのために、日本に何ができ、何をする用意があるかを、アピールした。
その一方で、肝心なことについては、触れなかった。
確かには、首相は、「国際紛争は平和的手段によって解決する」と述べはした。
だが、そのテロに対して、具体的にどう対処すべきなのか。
テロがどうして行われるのかについては、触れなかった。
テロに対して、どうやれば、平和的な手段で解決することができると考えているのであろうか。
さて、安倍首相が触れなかったのは、主に次のような点である。(平和10原則の中において)
● 全ての国の主権と領土保全を尊重する。
● 侵略または侵略の脅威によって、他国の領土点独立を侵さない。
● 他国の内政には干渉しない。
● 国連憲章による単独、または集団的自衛権を尊重する。
● 集団的自衛権を大国の特定の利益のために利用しない。また、他国に圧力を加えない。
首相が言及しなかった点は、自主独立という原則においては、非常に重要な側面だ。
第二次大戦後の世界の動きをみれば、その事はよく解る。
そして、その動きの中心にいたのは、米国である。
この記事の冒頭で書いたように、安部首相は米国との軍事同盟を強化しようとしている。
我が国に対して直接的な武力攻撃がなくとも、同盟国(米国)が攻撃された場合には、日本への攻撃とみなして、集団的自衛権を行使できる体制を整えつつある。
このことと、「国際紛争を平和的解決ずる」、という首相の言葉とは、どうつながるのであろうか。
米国と足並みを揃えることは、バンドン会議の原則に背くものあるとは、考えないのであろうか。
★
米国では,アーミテージ氏が、安倍首相の米国議会における演説において、過去の「侵略行為」に関して、米国はもとより、世界に向けて誠実な態度を見せることを、要求している。
このメッセージ自体の是非は、ここでは問わない。
さて、この日の安倍首相の演説には、そのような態度が見られたであろうか。
確かに、国際紛争の解決に関する所で、「先の大戦の反省のもとに、、、」、とは述べた。
だが、それは「誓い」を立てた、と言ったに過ぎない。
アジア・アフリカや他の世界の国民は、この言葉に中に、安倍首相の誠実さを読み取ることが出来たであろうか。
もちろん私は、日本が国際的な外交において、いつまでも「反省」や「謝罪」を表明することが必要であり、重要であるとは、思わない。
しかも、このようなことを要求されるのは、世界中で日本に対してだけである。
「ドイツも同様に謝罪している」という反論があろう。
だが、ドイツがしているのは「ナチスが行った行為」に対してであり、ドイツの国民が行った行為に対してではない。
さらに、歴史を振り返れば、他国を侵略し、民族を抑圧してきたのは、日本国のみではない。
「反省」や「謝罪」を要求されるべき国は、ほかにも存在する。
むしろ、そうであるからこそ、バンドン会議が組織された、と言えるだろう。
★
2005年のバンドン会議50年を記念する首脳会議では、米、英、ロシア、フランスなどの欧州諸国による帝国主義的な政策に対抗するための、戦略的な連帯に関する宣言が行われた。
もとより、バンドン会議は,反帝国主義、反殖民地主義、民族自決の精神の下に、産まれたものである。
当時、大国に虐げられていた小国が、大国に対抗するために協力しようという目的で組織されたのである。
22日の、この会議に参加した各国の首脳は、この日の安倍首相の演説を聞いて、何を感じたことであろうか。
(注)安倍首相の演説の全文は、日本経済新聞などを参考にした。
(関連サイトの案内)
「安倍首相演説 70年談話が気掛かりだ」 =信濃毎日
(この記事は、一部分、文章を変更し、さらに加筆しました。)
(2015年4月24日)
はたしてこの演説で、安倍首相は、アジア・アフリカの国民の胸を打つものであったのだろうか。
現在、安倍首相は、米国との軍事同盟を強化するために、集団的自衛権の行使に関する法整備を進めている。
この会議が終わった後には、米国の議会における演説が予定されている。
果たして、米国の議会では、どのような演説がなされるのか、注目したい。
(youtubeの動画より)
★
安倍首相は、この演説において、アジア・アフリカの国々が、連帯することを強調した。
また、そのために、日本に何ができ、何をする用意があるかを、アピールした。
その一方で、肝心なことについては、触れなかった。
確かには、首相は、「国際紛争は平和的手段によって解決する」と述べはした。
また、いわゆる「テロ問題」にも、言及した。テロを許さないとも述べた。
だが、そのテロに対して、具体的にどう対処すべきなのか。
テロがどうして行われるのかについては、触れなかった。
テロに対して、どうやれば、平和的な手段で解決することができると考えているのであろうか。
さて、安倍首相が触れなかったのは、主に次のような点である。(平和10原則の中において)
● 全ての国の主権と領土保全を尊重する。
● 侵略または侵略の脅威によって、他国の領土点独立を侵さない。
● 他国の内政には干渉しない。
● 国連憲章による単独、または集団的自衛権を尊重する。
● 集団的自衛権を大国の特定の利益のために利用しない。また、他国に圧力を加えない。
首相が言及しなかった点は、自主独立という原則においては、非常に重要な側面だ。
第二次大戦後の世界の動きをみれば、その事はよく解る。
そして、その動きの中心にいたのは、米国である。
この記事の冒頭で書いたように、安部首相は米国との軍事同盟を強化しようとしている。
我が国に対して直接的な武力攻撃がなくとも、同盟国(米国)が攻撃された場合には、日本への攻撃とみなして、集団的自衛権を行使できる体制を整えつつある。
このことと、「国際紛争を平和的解決ずる」、という首相の言葉とは、どうつながるのであろうか。
米国と足並みを揃えることは、バンドン会議の原則に背くものあるとは、考えないのであろうか。
★
米国では,アーミテージ氏が、安倍首相の米国議会における演説において、過去の「侵略行為」に関して、米国はもとより、世界に向けて誠実な態度を見せることを、要求している。
このメッセージ自体の是非は、ここでは問わない。
さて、この日の安倍首相の演説には、そのような態度が見られたであろうか。
確かに、国際紛争の解決に関する所で、「先の大戦の反省のもとに、、、」、とは述べた。
だが、それは「誓い」を立てた、と言ったに過ぎない。
アジア・アフリカや他の世界の国民は、この言葉に中に、安倍首相の誠実さを読み取ることが出来たであろうか。
もちろん私は、日本が国際的な外交において、いつまでも「反省」や「謝罪」を表明することが必要であり、重要であるとは、思わない。
しかも、このようなことを要求されるのは、世界中で日本に対してだけである。
「ドイツも同様に謝罪している」という反論があろう。
だが、ドイツがしているのは「ナチスが行った行為」に対してであり、ドイツの国民が行った行為に対してではない。
さらに、歴史を振り返れば、他国を侵略し、民族を抑圧してきたのは、日本国のみではない。
「反省」や「謝罪」を要求されるべき国は、ほかにも存在する。
むしろ、そうであるからこそ、バンドン会議が組織された、と言えるだろう。
★
2005年のバンドン会議50年を記念する首脳会議では、米、英、ロシア、フランスなどの欧州諸国による帝国主義的な政策に対抗するための、戦略的な連帯に関する宣言が行われた。
もとより、バンドン会議は,反帝国主義、反殖民地主義、民族自決の精神の下に、産まれたものである。
当時、大国に虐げられていた小国が、大国に対抗するために協力しようという目的で組織されたのである。
22日の、この会議に参加した各国の首脳は、この日の安倍首相の演説を聞いて、何を感じたことであろうか。
(注)安倍首相の演説の全文は、日本経済新聞などを参考にした。
(関連サイトの案内)
「安倍首相演説 70年談話が気掛かりだ」 =信濃毎日
(この記事は、一部分、文章を変更し、さらに加筆しました。)
(2015年4月24日)