昨日、福井県大飯原発に続いて、鹿児島県の川内原発の再稼働についての、仮処分申請の判決があった。
その判決において、鹿児島地裁は、住民の請求を却下した。
これは、鹿児島地裁が、川内原発の安全性を認めた、ということになる。
★
この判決において、鹿児島地裁は、「原子炉施設の安全性が確保されず、健康被害につながる程度の放射性物質の放出を伴うような重大事故を引き起こす危険性がないこと」を認定した。
その理由について、地裁は以下のように言う。
国の策定した新安全基準は、国内外の最新の研究成果や、調査結果などを踏まえたものであり、多数の専門家が、相当な期間、多数回にわたって検討、審議を行った。
また、国民からも、意見募集と検討を経たうえで、知見を有する原子力規制委委員会により策定されたものである。
また、その新安全基準に基づく、規制委員会の合否判断について、その調査・審議は、厳格なもので詳細になされた。
九州電力の地震・地質などの調査の結果をふまえた、地震対策のための、耐震設計方針は、新安全基準に適合している、と認定した。
この規制委員会による認定は、3.11の福島の事故を考慮しても、不合理な点はない、とした。
★
また、避難計画についても、対策は現時点では問題はなく、住民の安全性を確保できる、とした。
火山の噴火の新基準策定についても、火山学の専門家が関与、協力も得ながら、厳格かつ詳細な調査・審議を行ったもの、とした。
だから、最新の科学的知見のてらしても、不合理はない、と認定している。
さらに、火山(の破局的)噴火の可能性や危険性も、大方の学者が、安全性に疑問を有さず、このような噴火の可能性は、低いとした。
★
判決要旨を読むと、鹿児島地裁は、3.11の福島の事故について、正面から向き合っていないように思える。
国の機関である、安全委の判断を疑う事もせず、規制委が安全であるといっているので、問題はない、という判断をした。
しかも、安全基準作成においても、何も問題点がなく、十分に議論がつくされた。
国民の納得も得られた、と認定した。
この認定は、私が持つこれまでの経緯とは、異なるものである。
★
ところで、規制委は、今日、川内原発の再稼働に必要な検査について、九州電力の検査計画は現実性がないと、計画の見直しを求めた、と報じられた。
今日の審査会合で、九州電力は、必要な書類の準備できていないことが分かった。
そして、原子炉に燃料を入れた後の具体的な検査スケジュールが、ほとんど示されなかった、と報じられた。
このような判決を出した裁判官らは、このニュースをどんな気持ちで聞いたことであろうか。
我々が出した判決とは関係がない、と思ったのであろうか。
(独特な用語を駆使した判決文は、要旨を読むだけでも、大変でした。もう少し、普通の国民が読んでも、分かり易いものにできないか、といつも思います。
読み違えがあるかも知れません。ですから、後日加筆訂正して、再掲載するかも知れません。
なお、判決文についての情報は、『NPJ』というサイトで見れます。)
(2015年4月23日)
その判決において、鹿児島地裁は、住民の請求を却下した。
これは、鹿児島地裁が、川内原発の安全性を認めた、ということになる。
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この判決において、鹿児島地裁は、「原子炉施設の安全性が確保されず、健康被害につながる程度の放射性物質の放出を伴うような重大事故を引き起こす危険性がないこと」を認定した。
その理由について、地裁は以下のように言う。
国の策定した新安全基準は、国内外の最新の研究成果や、調査結果などを踏まえたものであり、多数の専門家が、相当な期間、多数回にわたって検討、審議を行った。
また、国民からも、意見募集と検討を経たうえで、知見を有する原子力規制委委員会により策定されたものである。
また、その新安全基準に基づく、規制委員会の合否判断について、その調査・審議は、厳格なもので詳細になされた。
九州電力の地震・地質などの調査の結果をふまえた、地震対策のための、耐震設計方針は、新安全基準に適合している、と認定した。
この規制委員会による認定は、3.11の福島の事故を考慮しても、不合理な点はない、とした。
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また、避難計画についても、対策は現時点では問題はなく、住民の安全性を確保できる、とした。
火山の噴火の新基準策定についても、火山学の専門家が関与、協力も得ながら、厳格かつ詳細な調査・審議を行ったもの、とした。
だから、最新の科学的知見のてらしても、不合理はない、と認定している。
さらに、火山(の破局的)噴火の可能性や危険性も、大方の学者が、安全性に疑問を有さず、このような噴火の可能性は、低いとした。
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判決要旨を読むと、鹿児島地裁は、3.11の福島の事故について、正面から向き合っていないように思える。
国の機関である、安全委の判断を疑う事もせず、規制委が安全であるといっているので、問題はない、という判断をした。
しかも、安全基準作成においても、何も問題点がなく、十分に議論がつくされた。
国民の納得も得られた、と認定した。
この認定は、私が持つこれまでの経緯とは、異なるものである。
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ところで、規制委は、今日、川内原発の再稼働に必要な検査について、九州電力の検査計画は現実性がないと、計画の見直しを求めた、と報じられた。
今日の審査会合で、九州電力は、必要な書類の準備できていないことが分かった。
そして、原子炉に燃料を入れた後の具体的な検査スケジュールが、ほとんど示されなかった、と報じられた。
このような判決を出した裁判官らは、このニュースをどんな気持ちで聞いたことであろうか。
我々が出した判決とは関係がない、と思ったのであろうか。
(独特な用語を駆使した判決文は、要旨を読むだけでも、大変でした。もう少し、普通の国民が読んでも、分かり易いものにできないか、といつも思います。
読み違えがあるかも知れません。ですから、後日加筆訂正して、再掲載するかも知れません。
なお、判決文についての情報は、『NPJ』というサイトで見れます。)
(2015年4月23日)