バンドン会議を終えた安倍首相は、ゴールデンウイークの間に、米国の訪問が控えている。この訪問中には、米国議会での、日本の首相による初の演説も予定されている。
一方で、安倍首相は5月9日にロシアで開かれる、対ドイツ戦勝70周年記念式典への出席を見送ることになりそうな気配である。
(安倍総理は慰安婦問題で公式に謝罪すべき」と米国議会で講演を行った。youtubeの動画)
この中で、首相に対し、慰安婦問題について公式に謝罪するように求めた。
また、日米韓の三国は、お互いに重要なパートナーであるから、関係改善に向けて日本が、足を踏み出すべきだと述べた。
バンドン会議での演説において、「反省」は述べたものの、「謝罪」には言及しなかった安倍首相は、難しい対応を迫られていると、言えるだろう。
政府は、「北方領土交渉を事実上止めている」と批判したロシアのプーチン大統領の発言は、「全くの事実誤認」(外務省幹部)として、対ロ説明を本格化させた。
領土交渉停滞への懸念を一段と強め、プーチン氏の年内来日を目指す日本の立場を伝え、理解と協力を求める構えのようだ。
北方領土交渉をめぐり、安倍政権は対ロ制裁措置と切り離して進めるシナリオを描いており、ロシアと対立する米国と制裁継続で足並みをそろえながらも、プーチン氏から前向き姿勢を引き出せるかが焦点になる、と報じている記事もある。
★
ところで、安倍首相の、プーチン大統領との対話については、いかなる状況にあるのだろうか。この点について、は重要な報道がされた。
政府は5月9日にロシアで開かれる、対ドイツ戦勝70周年記念式典に関し、安倍晋三首相の出席を見送る方向で最終調整に入った、ということである。
ウクライナ情勢を理由にロシアと対立する米国に配慮する必要があると判断した、政府関係者が述べたようだ。
その一方で、首相が戦後70年の今年中にロシアを訪れる代替案も浮上している。
もし、この通りに事が運ばれたとすれば、日露関係より、安倍首相は訪米を優先させ、日米の同盟関係の維持に努める方針を明確にした、ということになる。
はたしてこれで、ロシアのプーチン大統領と良好な関係を取り結び、日ロの関係改善を図ることができるのだろうか。
それとも、首相は、日ロの関係改善には関心がないのであろうか。
北方領土の問題に真剣に取り組む考えは持っていないのであろうか。
確かに、国同士の外交においては、駆け引きが重要なことは、疑う余地はない。
だが、そのための前提がある。
それは、お互いの信頼関係を築き上げることである。このことなしには、交渉のテーブルに着くことさえ、難しかろう。
たとえ、テーブルに着くことができても、真剣な踏み込んだ対話や交渉を望むことはできないであろう。
日露の関係が現状のままで改善が望めず、日本とロシアが対立することは、米国や中国を喜ばせるだけである、と思う。
日本の国益にとっては、害があっても、利益にはならないだろう。
安倍政権は、一見したところ、順風満帆のようであるが、今後の政権運営は困難が待ち受けているように、私には思える。
特に今回のことに関しては、難しい選択を迫られることになりそうである
(関連サイト案内)
特に今回のことに関しては、難しい選択を迫られることになりそうである
(関連サイト案内)
★日本非難決議主導のホンダ氏に聞く 私が否定的なのは首相の政治姿勢・・・yafooの記事(産経新聞よりの転載)
(2015年4月25日)