投票に行かずに、そのまま『寝てしまってくれればいい』

政治家のＡＢＣ。政治家の「Ａ呆れたい　Ｂ暴言　Ｃ失言」の数々を取り上げていきます。第１回目は、時の人、森・元首相の、この発言から始めます。
かって、総選挙の最中に、あろうことか、有権者が「寝てしまってくれればいい」と言い放った、ことがあります。

『新聞が「自民党が強い」と書くと、判官びいきみたいなものもあるし、それじゃあオレたちは逆に（投票を）やってやろうということになる。

…まだ（投票先を）決めていない人が40%ぐらいある。そのまま（選挙に）関心がないと言って寝てしまってくれればいいんですけれども、そうはいかない。』（平成12年６月２０日、新潟市内の講演で）

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今も「東京五輪」をめぐって、色々と物議をかもしだす発言がとびだす森・元首相。「元」ではなくて、首相であった時にも、色々と問題発言があった。

「ノミの心臓」をしていると揶揄された森・元首相であるが、そのわりには大胆なことを放言している。その代表が上の発言である。

この時、新聞各紙は総選挙中の状勢を、「自民党が安定多数を占める状勢にある」と、報じていた。その中においての、この発言であった。

「寝ていてくれればいい」が「そうはいかない」から、「フンドシをしっかりと締めてかかれ」と自民党の立候補者に言っている、とも、とれる発言である。

だが、「そうはいかない」は、あくまでも「付け足し」であり、本音は「寝ていてくれたらいい」ということにあるだろうことは、間違ない。

これほどまでに、主権者である国民や有権者を愚弄した「発言」はない。しかも、それが一国の首相の口から出たのである。


これは随分と前の暴言なのだが、今の安倍首相の気持ちも、同じであろう。投票率が上がれば、自民党にとっては、決してよい結果にはならない。

「どうせ選挙に行っても、何も変わらない」と有権者が思ってくれれば、ありがたい。それが、安倍首相をはじめ、自民党の立候補者の心境だろう。

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今度の選挙から、１８歳になった若者も投票することができるようになった。彼等だけに限ったことではないが、自分たちの将来がかかった選挙である。

「寝たままでいて、選挙に行かない」などという事は、決してないようにしたいものである。

（※今日から〈政治家のГ言いたい放題」〉というラベルを、追加します。戦後の日本の政治家の、呆れた、暴言、失言を取り上げていきます。「政治家のＡ呆れたい、B 暴言、Ｃ失言」、つまり、政治家のＡＢＣです。）

（２０１６年７月１日）