2016年7月3日日曜日

『私を軍国主義者と呼びたいなら、どうぞ』=安倍首相

この発言は、だれかとのやり取りの中で行われたものではない。安倍首相が、自ら発したのである。首相の強きの発言は今に始まったことではないが、かって、米国のシンクタンクにおいて、自らを「軍国主義者」と呼んでもらっても構わない、
と述べたことがある。



『私を右翼の軍国主義とお呼びになりたいなら、どうぞ』(平成25年9月25日 「ハドソン研究所」の講演)



この時、安倍首相はニューヨークの国連総会でスピーチをはじめとして,精力的に講演した。

上の発言は、有名な「ハドソン研究所」での講演において、集団的自衛権の行使容認に関連して、のもの、である。

仮にも、一国の首相が民間のシンクタンクでの講演であれ、このような発言をして許されるはずがない。

戦後70年が経過しても、今なお戦前の「軍国主義の負の遺産」はいまだに、あちこちに観られる。

その軍国主義の犠牲になった中国、韓国、北朝鮮の国々の視線は、今も厳しい。いかに民間のシンクタンクでの発言であれ、影響は米国内にとどまらない。

余りに軽率である。

日本を代表する立場にある、安倍首相のこの一言は、「“日本の国民の考え”を代表している」と受け止められかねない暴言である。



また、安倍首相は野党時代には、民主党の菅直人政権 の誕生に際して『史上まれに見る陰湿な左翼政権だ』と、言い放った。

何かと言えば『レッテルを貼るのは、止めて貰いたい』と言うくせに、自分以外のものにレッテルを貼ることは、許される、と考えているらしい。

こういう言い方そのものが、首相自身の立場や思想を表している。シンクタンクでの発言は、決して不用意になされたものではない、ということを 証明している。

ふたこと目には、平和を強調する安倍首相であるが、このような暴言を吐く首相を「平和主義者」であるとは、私にはとうてい認めることができない。

(※ 参考文献 木下 厚『政治家 失言放言 大全』勉誠出版 2015年 この記事も、これから後の記事も、特に断らない限りは、この本からの引用です。)

(2016年7月3日)

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