真珠湾は忘れて下さらないか。日本人も原爆投下を忘れよう

『米国民よ。どうか真珠湾は忘れて下さらないか。われわれ日本人も原子爆弾による惨害を忘れよう。そして、全く新しい平和国家として出発しよう。



米国は勝ち、日本は負けた。戦争は終わった。互いに憎しみを去ろう。これは私の組閣当初からの主張である』

１９４５(昭和２０)年９月１４日。
東久邇宮首相は、『ＡＰ通信』東京支局のＲ・ブラインズの質問書に回答して、冒頭こう述べた。

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当時の米国では、
「日本はナチス・ドイツと同じ侵略国家だ」
「真珠湾はだまし討ちだ」
「日本人は”イエロー・バスタード”（黄色いならずもの）だ」
という、戦時思想が残っていた。

国務次官のアチソンは、すぐさま
『余は、（東久邇宮首相のアピール）を拒否する。この言明ほど、日本人が自己の行動および米国民の心理を理解していないことを、ハッキリと立証したものはない』
と声明した。

米国のマスコミも、いっせいに反論した。
『真珠湾が原因であって、原子爆弾の投下は結果である』
と非難した。

９月２７日。
天皇がマッカーサーを訪問し、室内に立つ二人の写真が２９日に新聞のトップを飾った。

腰に手をあて、開襟シャツというラフな服装の元帥の横で、
昭和天皇はモーニング姿で直立していた。

（２０１６年７月１５日）