2013年9月6日金曜日

国連事務総長の談話と、オバマ政権の動きについて考える。

 国連の潘基文(バン・キムン)事務総長が、シリアへの武力行使についての、見解を述べた。
その中で事務総長は、武力行使が許されるのは、自衛目的か、国連安保理の承認を得て場合に限られると述べた。

仮に米国の議会が、武力行使を承認しても、国連安保理の承認が必要であることを明確にした。

これは、国連憲章に沿ったものであり、これ以外に解釈のしようがない
これ以外に国連憲章が掲げている、国際紛争の解決のための手段はない。

ところがオバマ大統領は、国連安保理の承認なしでも軍事介入する姿勢である。
現在オバマ政権は、軍事介入の決定を、米国の議会に委ねてはいる。

しかし、もし米国の議会が否決した場合には、どうなるのか。

それについてオバマ大統領は、攻撃を命令する権限は自身にある、と述べている。
依然として政権としての、シリアへの軍事介入の決定を取り下げる気配がない。

「国際社会が、法や秩序をたもてなくなる」からというのが、その理由だ。
さらにこれは「人類の危機」であるとものべた。



国際事務総長も「いかなる状況下であっても化学兵器の使用が確認されれば、国際法の深刻な違反であり、極悪な戦争犯罪」と述べ、「加害者には正義が下されるべきであり、罰を逃れられない」と述べている。

確かに化学兵器の使用が事実だとすれば、それは許されることではない。
しかしなぜそれが、米国による軍事介入と結びつくのか、オバマ氏は、説明するべきである。

現在、英国、ロシア、フランス、イタリア、ドイツなどは、軍事介入は行わないと、決めている。
何よりも国連が、反対している。

だが、仮に米国議会が反対しても、行動を起こす考えのようだ。
しかし、多くの国が反対する中で、それでも軍事介入に踏み切るなら、今度こそ、米国は世界から孤立することになろう。

オバマ大統領に、熟慮して頂きたいことがある。
それは、米国の歴史についてである。

具体的には、英国との独立戦争、南北戦争のことである。

自国の国民は、何のために戦ったのかを、思い出していただきたい。


一度、軍事介入踏み切れば、収集のつかないことになるのは、イラクの例を見ても明らかなことだ。
もちろんどの国にも、自国を防衛する権利は存在する。

米国の利益を守るためという理屈も成り立とう。

しかしそれだけでは、大国としての米国の責任を果たしたことにはならないと思う。