2013年9月9日月曜日

オバマ大統領がシリアへの軍事介入を急ぐのは何故か(5)

                                                      第136号
ここにきて、オバマ大統領が揺れている。
G20で、あまりいい成果が出なかったようだ。
それでロシアに八つ当たりするまでになってきている。

だから、この連載もタイトルの変更が必要になりそうだ。


それにしてもオバマ大統領が、ここまで軍事介入にこだわる理由はなにか。
「仮に化学兵器が使用されていなければ、軍事介入をしないのか」というように、問を変えて考えてみようと思う。

オバマ大統領は、二期目だから選挙のことは気にする必要がない。

米国の国益というが、米国への差し迫った、軍事的脅威はない。
だいいち、世界で圧倒的な軍事力を持つ米国に、自分から戦争をしかけるバカはいないだろう。
そんなことをする人間は、「ドンキホーテ」ぐらいだ。

確かに国内は、大揺れだ。

しかし、震度で言えば、マグネチュード4ぐらいか。
まだ十分に耐えられる揺れだ。
    ◆                 ◆                 ◆
ではシリア側はどうか。
米政権は、シリアの反アサド組織に、今まで、多くの支援をして来ている。

だから軍事介入が急に日程に上ってきたわけではない。

実は、「米上下両院の情報特別委員会は23日までに、オバマ政権が決めたシリア
反体制派への武器供与承認で合意」していたのであった。

反アサド政権への、これは明確な後方支援だ。

だからオバマ大統領は、軍事介入をすでに決めていた。いやすでに行っていた。

また、シリア反体制派を支援する米欧やアラブ各国による「シリアの友人会合」の
閣僚級会合(は)・・・22日、・・反体制派が必要とするあらゆる装備を緊急に供与
する」との声明を発表
した。
また同時にレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラが、同盟関係にあるアサド政権を
支援するためにシリアへの介入を深めている。・・・(この)イスラム過激派勢力についても
強い懸念を表した。

さらに、 ケリー米国務長官は、武器供与などの目的は、【米国がロシアとともにシリア問題の
「政治的解決」に向けて開催を模索している国際会議を実現するため、「戦力の不均衡を
是正する」のが目的だと強調した。

一方で、ヒズボラは、シリアに数千人の戦闘員を派遣し、反体制派との戦闘に加わって
いるらしく、戦況は予断を許さない状況だ。むしろ、劣勢だ。

こうして観るとようやく見えてきた。ようやく、見つけた。そして分った。

ここで必要になるのは、「真珠湾攻撃」だ。
トンキン湾だ。
大量破壊兵器だ。

このままでは反アサド側が負けそうだ。もう武器供与の段階ではない。
直接的な軍事介入が必要な段階だ。

そこで登場したのが、8月21日の「科学兵器の使用による大量殺人」のでっち上げだ。
米国の政権が用いる、いつもの手である。

シリアが安定すれば、レバノンが安定する。
そうなれば今度は、米国の同盟国のイスラエに危機が迫る。・・・
おそらくこんなシナリオではないかと思う。

もっとも、米政権の奥底にある戦略思想は、「中東の不安定さを維持する」
というものではないかという気がする。
なぜなら米国の政権は、常にどこかでの戦争━━もしくは内戦が━━を必要としている
と思うからである。
それは米国が建国以来、200回に及ぶ戦争を経験してきていることからも明らかである。


オバマ大統領がリアへの軍事介入を急ぐのは、今のままではアサド政権が内戦に勝利し、
そのことによって、米国の中東での立場が危うくなるからである、と結論することができる。

我々はここに、オバマ大統領が軍事介入を急ぐ理由を見出す。
シリアのアサド政権が安定すれば、イスラエルが危ない。そうなれば中東での
米国の足場がなくなる。
それを恐れてのことであることであると、思う。

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