迷いを断って生きる「自分の思い通りにならないことで悩むな」

人は、か弱い生き物である。

鳥のように　空を飛ぶことが

出来ない。


チータやライオンのように
　速く走ることが　出来ない。

イルカのようには　速く泳げない。

犬がするように　匂いを
嗅ぎ分けることが　出来ない。

像がするように　重たい物を
うごかすことが　出来ない。

それだけでは　ない。

夏目漱石が言うように　この世は
「智に働けば角が立つ。
情に棹（さお）させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
とかくに人の世は住みにくい。」
ものである。

これらを釈迦は　「苦しみ」と言う言葉で
表現した。

それを中村元は、「自己の欲するがままにならぬこと」を言うのである、
と解説する。

生理的な苦痛や心理的な苦痛のみのことを
言うのではない、と解く。

人は　「自己の心」でさえ
自由に　出来ない。

そうであるのに　他人を
支配しようと　望む。

無常が　世のならいであるのに
ものに執着し　自分のものに
しようとする。

出来ないことを　したいと思い
どうにもならないことに　固執して
もがく。



自分の思い通りに　ならないことで
悩む必要は　ない。

そう思えば　心が
軽くなる。