2016年1月19日火曜日

フクイチ原発事故「賠償(金)はい(らな)いから、生活を返してくれ」

それは、当然の願いである。賠償金は要らないと言うのは、米国人にすれば理解不能なことかもしれない。だが、「生活を返してくれ」という願いは、「アメリカインディアン」の場合と同じであろう。


一方では、原発の再稼働が押し進められようとしている。事故後、電力が足りているのにである。

安倍首相をはじめ、安倍政権、自民党。そして、電力会社は、再び、原発を動かすことに、血眼になっている。

そんな中_。

普段は、芸能ネタ、皇室の話題、健康など、政治的な記事とは無縁な女性週刊紙の「週刊女性」が、フクイチの話題を取り上げた記事を載せている。もっと、これはwed上のことだけかも知れないが…。


 「賠償はしなくていいから、生活を返してくれ、・・」 =「週刊女性」より

東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発(以下・1F)の事故から4年9か月。東電は「福島への責任を果たす」として、’13 年1月に福島復興本社(楢葉町)を設置。福島第二原発(以下、2F)の元所長・石崎芳行氏(62)が代表に就任した。
 東北電力女川原発(宮城県牡鹿郡女川町、石巻市)では過去最大の津波を前提に対策を取っており、事故が起きなかった。だが1Fは地震と津波で全電源を喪失。原子炉を冷却できず、事故につながった。
「危機意識の差です。原発事故は起きないという傲慢な発想が東電社内に蔓延していた。
 2F所長のとき、運転員の訓練を見ていたが、外部電源が使えないときは非常用ディーゼルを、ディーゼルが使えないときはバッテリーを使うことを想定しました。が、バッテリーが使えないときは考えていませんでした」
 東電はトラブル隠しが発覚するなど、これまでも隠蔽体質があった。1Fと2F、柏崎刈羽原発(新潟県)では、1980年代から’90 年代までに点検時のひび割れを隠すなどのデータ改ざんがあった。2000年に内部告発があり、明らかになった。
「当時の経営陣が辞めることになったが、それ以後、何かトラブルがあるたびに改善してきたつもりでした。それでも〝原子力施設は事故が起きない〟という前提でいました」
 実害についてはどう見ているのか。
 例えば、福島県の県民健康調査検討委員会によると、事故当時18歳以下だった約38万人を対象にした甲状腺検査の本格検査(‘14 、’15 年度)の結果、先行調査(‘11 〜’13 年度)と合わせると“がんと確定”は115人。“がんの疑い”は37人だ。
責任を持った発言ができない。細かくチェックすれば、がんと診断される人は増えるという説もあるが、放射線はできるだけ浴びないほうがいい。専門家による、データをもとにした冷静な議論が必要です」
 また、帰還困難区域の浪江町津島地区32世帯117人は、国と東電に対して原状回復と損害賠償を求め、提訴している。
「事故の影響は大きく深く、複雑だと感じます。“賠償はしなくていいから、生活を返してくれ、そうすれば何もいらない”と言われることがいちばんつらい。正直、原状回復はできません。まずはお金での賠償ですが、それでも心の満足を得られないことも見てきています 。】


 自分たちが、そこに住めるのか

貼り付けた写真をよく見ていただきたい。これだけの人々が、身体の以上を訴えているのである。このことを考えただけでも、あの当時、正しい情報を知らされず、被爆した人々が存在した、ということなのである。

この米軍の被爆者にも、「データを基にした冷静な議論が必要」である、と反論出来るのか。するつもりなのか。それを安倍政権が許すのか。

東電の社員と家族が、フクイチの近くに住み、フクイチの近くで生産された農産物を食べ、福島の海で取れた魚を食べることが出来るのか。果物を毎日食べることが出来るのか。

安倍首相や安倍政権の閣僚、自民党の国会議員らも、同様に福島の近くで取れた食材を毎日食べることが出来るのか。出来はしまい。

これまでにも、何度か指摘してきたことであるが、突然、住む土地や家を奪われ、ふるさとを奪われた人々の悲しみや苦しみ、悲惨さは、考えただけでも、余りある。

「つらい」のは、被災者である。東電は、その被災者に全力でより沿い、彼らの生活を取り戻すべく努力する責任がある。「つらい」などと、言っている場合ではないのである。

また、東電はいかにも、自分たちだけが補償金を出したように思っているようであるが、それは間違いだ。補償金は、税金からでている。

しかも、それも結局のところは国民が払う電力料金に上乗せされることになる。東電の「腹」は少しも痛まないのある。むしろ「焼け太り」状態にある、といった方がよいくらいである。

それにしても、「週刊女性」は、これ以外にも、フクイチ原発事故関連の記事を多く掲載している。このようなことは、今までの女性週刊紙では、考えられないことであった。

このことは、それだけ日本の女性たちが、このフクイチの原発事故に特別な関心を持ち続けていると言うことの証でもある。そう言ってよいと思う。

(2016年1月19日)

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