2018年11月13日火曜日

台風21号の爪痕 京都、鞍馬山の惨状は今尚すざましい

「紅葉名所の京都・鞍馬 台風21号の傷跡なお」の見出しで、11月4日に、京都新聞が、台風21号のもたらした被害について報じた。


京都新聞は、その記事で以下のように書いている。


台風21号の爪跡。京都、滋賀でも暴風による被害が相次いだ台風21号の襲来から4日で2カ月となる。各地の山林では倒木が手つかずのまま放置され、山間部では通行止めが続く箇所もある。テレビアンテナの修理が立て込むなど市民生活への影響が残る中、再起に向けて奮闘する動きもある。

 倒木が山道をふさぎ、周囲の山林を見渡せばおびただしい数の木がなぎ倒されたままになっている。鞍馬寺と由岐神社のある京都市左京区の鞍馬山には、暴風の生々しい傷痕が残る。

本殿から貴船に至る奥の院方面は、復旧の見通しすら立っていない。よく知られる「木の根道」に近い大杉権現社は倒木に押しつぶされたままだ。これから迎える紅葉のシーズンは例年ならたくさんの参拝者でにぎわうが、今年は影響が避けられそうにない。

本殿から貴船に至る奥の院方面は、復旧の見通しすら立っていない。よく知られる「木の根道」に近い大杉権現社は倒木に押しつぶされたままだ。これから迎える紅葉のシーズンは例年ならたくさんの参拝者でにぎわうが、今年は影響が避けられそうにない。

京都府林務課によると、倒木被害は山林で590カ所に上り、被害額は推計約2億1500万円に達する。京都市北東部の北山や長岡京市の西山に被害が集中しており、同課は「木材が売れない時代なので、公費で除去できる部分を除き、放置される可能性もある」と話す。(京都新聞)



この時点で、台風の直後に報道せずに、京都新聞がなぜこの時点で報じたのか。この疑問は、さておき、その被害の状況は、いまなお、すざましい。

紅葉の見物を兼ねて、現地の鞍馬に出かけてきた。
カメラに収めた写真を紹介する。


上の写真は、鞍馬街道にそって流れている川岸。写真では、その大きさが分からないと思うが、年輪は60年を経過したものが数本ある。



これが、根元の部分↑。 杉という木は、これほどまでに根っこの部分が、「弱い」。その上に伸びている幹の太さと長さと比べてみれば、不釣合いなこと、この上ない。

これで今まで、倒れなかったのが、不思議なくらいである。



この写真が、年輪を示す。



鞍馬街道の側を流れる川岸にそびえたつ杉などは、このように太い木が多い。道路にすぐそばなので、切る事が難しい。あるいは、もともとが道路を補強する目的で、植えられたのかも知れない。




これは鞍馬山側の山すそ、の状況↑。

右側は、倒木が処理されている。根株を見ると、かなり大きい。恐らくは、道路側に倒されていて、交通の邪魔になっていたので、処理されたのであろう。

それにくらべて左側は、今でもそのままだ。このようにして放置しておいて、腐るのを待つ、よりほかに選択肢がないのであろう。

途中で折れ曲がっているし、傷だらけであるから、パルプにして、紙の原料にするぐらいしか、利用の仕方がないだろう。

だが、そうするには人件費、運搬などの費用がかかりすぎるということなのであろう。



もちろん、被害にあっているのは木だけではない。いまなお、屋根がブルーシートで覆われた家が、あちこちに散見される。

これほどの被害がなぜ今まで報じられずに、そのままにしておかれたのか。紅葉の季節にことかりて、というのは、報道機関として怠慢ではないのか。

それとも、政権への忖度、でもあったのか。
そのあたりのことは、知らないが、ドローンを飛ばして撮影したのなら、もっと早くに報道してしかるべきことであった。

このように、私は想う。

(2018年11月13日)