2018年9月12日水曜日

ごみ収集場所のゴミ袋を勝手に開けても良いのか

リサイクルと資源の有効活用の掛け声のもと、自治体におけるゴミの分別が、何かと波紋を投げかけている。その一つが、「ごみ収集場所のゴミ袋を勝手に開けること」である。

隣人にゴミ袋を開けられ、注意したら「何様のつもり!」と逆ギレ...違法行為では?」というタイトルで、〈弁護士ドットコム>が、とても分かりやすい記事を掲載している。
 
ある男性の相談事。

≪男性は、自宅前の袋を捨てています。ところが、隣人が興味本位からゴミ袋を勝手に開け、中身をチェックしているというのです。男性がやめてほしいと言ったところ、「何様のつもりだ!」と怒鳴られ、とても不愉快だったといいます。男性は隣人のゴミ袋チェックに精神的な苦痛を感じ、最近では有料の民間業者に頼んでゴミを回収してもらっているそうです。≫

隣人が興味本位からゴミ袋を勝手に開ける、などということは非常識極まる、と思うのだが。そのうえに、「何様のつもりだ!」と怒鳴り返すなど、本末転倒である。

では、この行為を法律的に解釈すると、どうなるのか。

梶山 正三弁護士は、このように説明する。


●隣人の行為は「プライバシー侵害」で違法です

≪結論から言うと、隣人の行為は個人のプライバシーを侵害するため、違法です。もちろん、やめさせることができます。

ゴミは、ゴミ捨て場に捨てた時点で所有権がなくなる、と考える人もいるかもしれませんが、それは誤解です。ごみとして出して所有権を放棄しても、ゴミに対する管理権限や管理責任が無くなるわけではありません。

ゴミが世の中に迷惑をかけず適切に消えていくまでは、元の所有者に管理責任があります。責任を果たすためには権限が必要ですので、元の所有者にはゴミを管理する権限があるということです。≫

所有権を放棄しても、ゴミに対する管理権限や管理責任が無くなるわけではない。どうしてなのか。その理由は、こうだ。

≪所有権を放棄しても、それを公園に捨てれば「不法投棄」という犯罪行為になります。例えば、有害物質を排出する工場や放射性廃棄物を放出する原子炉は、その放出物について工場や原子炉事業者に所有権はないとしても、管理責任と管理権限はあります。したがって、有害物質や放射性廃棄物によって人や自然を汚染・破壊すれば、違法行為として責任を問われるでしょう。≫

この論理は、とても明確だ。この論理に反論するのは、相当の困難が伴うだろう。

結論としては、こういうことになる。

≪ゴミステーションに出したごみについては、それが社会的に適切な方法で処理されるまでは、元の所有者に管理責任・管理権限があります。隣人の行為はそれらを侵害しているため、違法となるのです。≫

私の住む自治体でも、分別は複雑で、相当な手間がかかる。
そして、市役所のゴミ回収車は、正確に分別出来ていないゴミ袋は、持って行ってくれない。

その結果、分別がいい加減なゴミ袋は、ゴミステーションに残される。これの処置に困るから、ある自治会の役員は、「ゴミ袋を開けて捨てた人を特定し、二度とこういうことがないように、きつく言い渡すつもりだ」と、宣言した。

そんなことが許されて良い筈がない、と思うのだが、有効な反論をする手だてがない。

そう言う所へ、この記事は、目に入った。

分別をしないのは問題があるとしても、この役員のようなやり方が、許され良い筈がない。

そもそも、なぜこのような問題がでてくるのか。
まず、そのことから、考えて行くべきあろう。
(※記事中の緑の文字は、引用文)

<関連記事>
ゴミの分別とはなんだったのか。日本人が騙されていた不都合な真実

(2018年9月11日)

0 件のコメント: