2013年6月26日水曜日

国が原発再稼働を強行するのは何故かを考える(2)

前に再稼働の条件を考えた。
今回はそれが満たされるかどうかを考えてみたい。
私が考えた再稼働のための条件は、以下のことであった。


①  安全性の確認が出来ていること 。
②  地域住民だけでなく、国民の合意ができていること。
③  ①にもかかわらず、事故がおきたときの対策が十分にとられていること。    
④  報道機関が十分に国民に開かれたものである事。   
⑤  現在の監視機関をすべて廃止して、信頼できる新たな機関を設置すること。
⑥  国が、現在原発行政の全面的な見直しを約束すること。その実施を誠実に実行すること。
⑦  法的機関が有効に働くことが確認されていること。 
⑧ 再稼働される個々の原発が法に違反していないことが確認済みであること。 

これらの条件がいまの日本においてはたして実行できるのかどうか考えてみたい。

①は到底無理であろう。 
まず第一に、今回の事故の原因についてまだ明らかになっていない。そのような中では技術的な安全性の確認は出来ない。
先ほど安全委により再稼働のための基準が新たに示されたが,事故前よりゆるくなっている。
到底安心できるものではない。  

② 相変わらず原発がある地域だけの意向が優先されている。
国民全体の意思は無視されたままである。
選挙で自民党が勝っても、国民全体が原発の再稼働を容認したことにはならない。
独自に国民投票をするべきである。しかしそれはなされないであろう。

③ これも十分になされているとは考えにくい。
また想定外ということで片ずけてしまわれるであろう。
ヨウ素剤の配布、避難車の用意、避難者の受け入れ先の用意、など十分になされていない。
そして事故がおきてもまた、だれも責任を取ることはないであろう。

④ 今も報道機関は政府発表の垂れ流しに始終している。
①と関連して,事故の原因は想定外の津波が来たことによると報道されている。
とてものことそのようなことは納得がいかない。
政府、東電は事故の原因を明らかにしていないし、報道機関もそれをしようとしているようには思えない。

また、事故前は1ミリであってものが、2年を経過してもその100倍の数値でも安全であると報道されている。
これでは、とても報道機関としての独自性があるとは思えない。
このような状況では、事実報道は期待できない。

⑤ 福島の事故が防げなかったのは、政府機関の怠慢でもある。
 人員を一新して本当に信頼のおける人を選ぶことである。
その能力のある人は少なからずいると思われる。
それらの人を集めて新たに組織しなおす。そのうえで、再出発するというようになっていない。
これではまた同じことの繰り返しであろう。

⑥ 国の姿勢は再稼働ありきだけで、とうてい今回の事故から学んでいるとは言い難い。
 相変わらず従来と変わらない原発行政を進めている。
とても反省しているとは思えない。
国民の命を重視した政策を取ろうとしていない。
将来にわたってもそのことは期待できそうにもない。


⑦ 法的機関も期待できないであろう。
特に検察はそうである。
行政機関の一組織である以上は無理からぬことではあるが。
今までの過剰な期待が間違いであったと認めることであろう。

⑧ 原発は安全な条件の土地に建てられることが義務ずけられている。まして海岸近くに建てることはまず無理である。
もっと言えば日本の中で本当に法令で決められた条件に合うところが存在するのであろうか。
法が求めている立地条件からすれば、日本では原発が建てられるところがない,というのが本当のところではないか。

以上のように考えてみると、原発の再稼働はまだするべきではない。
このように結論するほかはない。