柳田国男の『雪国の春』に、次のようにある。
『北国でなくとも、
京都などはもう北の限りで、
わずか数里を離れたいわゆる比叡の山蔭になると、
すでに雪高き谷間の庵である。
それから嶺を越え湖を少し隔てた土地には、
冬籠りをせねばならぬ村里が多かった。
丹波雪国積らぬさきに つれておでやれうす雪に
という盆踊りの歌もあった。
これを聞いても
山の冬の静けさ寂しさが考えられる。
日本海の水域に属する低地は、
一円に雪のために交通がむつかしくなる。』
丹波、丹後は、本州の北海道である。
こういう土地で生まれ、育った人々にとって
春は、特別な季節である。
蕗のとうや、土筆(つくし)が、
雪のあいだから芽を出すと、
雪国にも春が訪れが感じられるようになる。
田畑の根雪が溶けて、黒い土が顔を出すと、
心が浮き立つ。
冬ごもりから覚めて、
山に分け入り、田畑で鍬(すき)をふるう。
それはまた、実りの秋にむけて、
土や草とのたたかいが始まるときでもある。
『北国でなくとも、
京都などはもう北の限りで、
わずか数里を離れたいわゆる比叡の山蔭になると、
すでに雪高き谷間の庵である。
それから嶺を越え湖を少し隔てた土地には、
冬籠りをせねばならぬ村里が多かった。
丹波雪国積らぬさきに つれておでやれうす雪に
という盆踊りの歌もあった。
これを聞いても
山の冬の静けさ寂しさが考えられる。
日本海の水域に属する低地は、
一円に雪のために交通がむつかしくなる。』
丹波、丹後は、本州の北海道である。
こういう土地で生まれ、育った人々にとって
春は、特別な季節である。
蕗のとうや、土筆(つくし)が、
雪のあいだから芽を出すと、
雪国にも春が訪れが感じられるようになる。
田畑の根雪が溶けて、黒い土が顔を出すと、
心が浮き立つ。
冬ごもりから覚めて、
山に分け入り、田畑で鍬(すき)をふるう。
それはまた、実りの秋にむけて、
土や草とのたたかいが始まるときでもある。
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