2014年2月1日土曜日

東電の黒字決算。東電の刈羽原発再稼働に正義はあるか。

福島の東電による原発事故は、今もって多くの地域住民の避難を余儀なくさせている。
事故によるガレキ処理においては、多くの自治体に負担が押し付けられ、結果、ガレキを受け入れた自治体のみならず、付近の自治体にもその影響が出ている。


このため、全国で、大気の放射線濃度が急激に増加している。

政府やマスコミは、中国の大気汚染による日本へ影響は、大々的に報じたり、問題にするが、その一方で、東電の事故よる大気汚染は、故意に隠そうとしている。

また、食品への汚染は、全国の消費者に大きな負担をかけている。
「風評被害」という言葉で、政府や関係自治体は誤魔化そうとしているが、政府の事故後のいい加減な対応が招いた結果である。

それまでの、法律を変えてまでも、基準を引き上げたことが大きく影響している。
国民は安心して、食材を購入出来ないでいるのである。
特に、海産物は、今後ますます影響が出てくる、とみられる。

放射能を浴びたことによる病気の発生は、まだ、大きくは表面化していないが、これもやがては問題になってくるだろう。
いくら、安倍首相が、「今後影響は出ない」と言おうと、止めることは出来ない。

この度の事故で、責任がある立場にいながら、その責任を取ったものはだれ一人いない。
これだけの事故を起こしておきながら、誰ひとり検挙されないことで、検察や司法も、「東電の味方」であることがはっきりした。

安倍政権も、国民の6割もの人々の反対を押しきって、原発を再稼働し、原発をエネルギーの中核におこうとしている。

東電の汚染水問題を受けて、安倍政権は、政府が前面に出でて解決に向けて努力する」と宣言したが、今もって、解決のメドは立っていない。
それどころか、ますます高濃度の汚染水が検出されている。

このような中で、昨日東電の決算が公にされた。
それによると、以下のようである。

『東京電力が三十一日発表した二〇一三年四~十二月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が二千三百十三億円と三年ぶりに黒字に転換した。経常損益は千八百九十二億円の黒字。電気料金値上げで売上高が四兆八千一億円と前年同期比で10・8%増えたことが要因。ただ東電は柏崎刈羽原発(新潟県)が再稼働しない場合はさらなる値上げを示唆しており、東電を救うための利用者負担の「底」はまだ見えない。・・・
東電は「再び赤字に転落し、福島第一原発事故の被災者への賠償資金が工面できなくなる」と主張。柏崎刈羽原発が再稼働できなければ、今年秋にも平均10%程度の料金値上げが必要だと主している』(東京新聞 2014/1/31)

安倍首相が国が前面に出ると宣言したことで、多くの税金が東電に投入された。
一方で、東電は銀行などの支援を受けて、2022年までに2兆6700億円規模の新規投資を予定している、と伝えられた。

上の記事が伝えるように、東電は、再稼働がなければ、さらなる電気料金の値上げに踏み切ると、脅してをかけている。

一体どういう神経なのか。

孔子は「過ちを改める事がないのが、すなわち過ちである」という。
東電は、事故が「東電の過ちである」とは思っていないのであろうか。

「国のいうことに従がって原発を推進してきた」だけであって、「わが社には責任はない」という考えなのであろうか。
そうであるのなら、「この黒字決算も納得がいく」

だが、責任を、「津波」や政府や、国民に押し付けるのなら、もはや東電は、日本における公企業ではない。
それどころか、「ブラック企業」である。

このような会社が存続すること自体が、日本にはもはや、「正義も法もない」事を象徴している。
安倍首相の言動も「納得がいく」というものである。